薔薇はどこまで | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 



 薔薇を見ている
 と思うことがある

 薔薇を見ていると
 思うことがある

 薔薇はどこまでが薔薇の花なのだろうかと

 幾重にも折り重ねられた花びらが

 内側から開くとき

 花は花を超えて

 龍のように渦巻いて伸び上がる茨の枝さえもが

 薔薇の花の一部に見えてくる

 
 幾重にも重ねられた銀河のどこまでが

 宇宙なのだろうと問い尋ねたくなるのと同じように


 そして僕は思うのだ


 この季節の中心に居て

 あなたはどこまでがあなたなのだろうかと









    実は dekokakakaさんのブログで『薔薇』という文字を
    どのように色分けしたらそれぞれの薔薇らしくなるのだろうかと
    そんなことが話題になっていたのでした

    「薔薇」という字も不思議な字ではあるのですが
    (「バラ(薔薇)について」に解説があります)

    薔薇というと僕はすぐ『星の王子さま』のバラか
    Gertrude Stein の Rose is a rose is a rose...  を思い出すので
    文字を使うならアルファベットでやってみようかなと思ったのでした

    そしてそんなことで遊んでいるうちに
    いつの間にか
    上のようなことを考えていたのです





               * ... as if  I were watching a rose
                 ... while I'm watching a rose