水辺の早春賦(2)水くぐる 鳥の背の水滴のように 気づかないほど小さな波紋が鳥たちの前に 鳥が立てたものではないらしい 小雨でもない 何か目に見えない小動物なのだろうか そう思っていると そこここで 夕暮れ近くまで水をくぐる まるで動きのあるままに凍りつきでもしたような あるいは水飴に似て甘やかな 春の匂いでもするような そしてまた水に潜った鳥の形を想わせる水の形 それでもこの形はすぐに消えて なめらかな水面になる そして また この繰り返し その回数が次第に次第に増して 春へ辿りつく