春は名のみかと思わないでもないけれど
けれどそれでも
葉を落とした枝の広がりに
何かしら冬と違うものがある
広がろうとするような力を感じる
竹の葉の色もどこかしら若い緑の色が光っている
木を水没させた水の色も
葦の頭が黄色く萌えるように見えるのは
おそらくは光のせいなのだろうが
そして水の色が何処か違うのは
空の色が違うせいなのだろうとも思うけれど

その陽の光の色合いが明るく感じられるのは
もはや気のせいではない
木々の枝の色が変わって見えるようになるとき
枝にはこれから伸びだそうとする新芽の色が重なっている
水さえもその新芽あるいはまだ蕾の色を引き受けるように
青くなり始める

早春の午後
気づき得るものは早春の陽の光が
沈むとき
何かが昨日とは違うのだということ




