踊るとき
膝から下は別の生き物にして
勝手にステップを踏んで行くように
太腿は帆が風に鳴るように
ぶんぶんと
踊るとき
腕は二本とも身体から切り離し
宙に螺旋を描く二羽の鳥にして
あなたの海を舞うように
はらはらと
踊るとき意識は捨てて
必要なら瓶一本ほどのワインを空けて
頭はどこか遠くにあるように
何も要らない何も考えない
マリオネットのように軽々と
踊る姿の影絵のように
光の中に翻(ひるがえ)る
風のような生き方を我がものにして
あなたの空を行くように
時のずっと向こうまで揚々(ようよう)と
踊るとき
こういうことでなければ
どのような時どのような場所で踊ろうと
自由でなければ踊ったことにはならないと
それが踊るということさ