絶え間ない小さな変化にも
いろいろな形がある
台風が近い浜辺の波は人を呑み込むほどに
膨らみ伸び上がってはくずおれる
その波が小さく割れて汀に広がるときには
もはや足の指の間をさえすりぬける
打ち付ける波の繰り返しが
海水の中に温存されたタンパク質やその他の
高分子を巻き込んでは磯や岸に
次々に生み出す泡の群れ
時にはそれが風に煽られて舞い上がり
海岸通の道までもやってくる
それは海だけとは限らない
少し大きな池や湖なら潮汐のように揺れて
波打ち泡を産み出すこともある
けれどそれは折しも降りかかる雨に消えてしまうことも
あるいは大きな波の反射でまた沖までも広がってゆくこともある
湖の水面を過ぎてゆく風
朝の
夕刻の
あるいは月明かりで光って見える波紋から
それとわかるような
月がなければ誰にも見えない
気づくということは
見えるということは
何か
それだけではない
シンクに貯めた水が抜いた栓に流れ込む渦
小川の曲がり角にできる渦
渦潮
それから海流の広大な渦
そして銀河もまた渦
次第に形を変えていく
そこに吹いている恒星風
何を僕らは見て過ごしているのだろう
短くて長い
長くて短い人生の
あるいはそのような一日
そのような一時の
さまざまに揺らめいて流れてゆく
変化
生
それとも
星
海辺に佇んで
ネットラジオの向こうの静かなジャズを聴きながら思う
時(とき)の明日(あした)には
世界はどこまで行くのだろう