12月29日 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


















 花の蕊(しべ)に鮮やかな花粉

 秋の色が次第に冬のくすんだ色に変わる林の傍を飛ぶ白鷺

 活気づいて漁りつづける鵜の群れも

 葉を落として清貧の季節を迎えた枝々も

 雲間の遠い陽の光さえ

 今日という日が12月29日だということを知らない


 そういう生きかたを人はしてはいけないか