冬の部屋で蝶になる | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある



papillonner 
 「蝶のようにひらひらと飛び回る」という意味のフランス語の動詞






 外は冷たい十二月の風

 裸の枝の間を過ぎていく

 夢見るように暖かな板の間の部屋で

 一羽の蝶が踊りだす

 春が遠いなら私が作るとでも言いたげに



 ならば任せよう

 たとえ夢の中であったとしても

 その伸びやかな腕と足で

 空気を作り替えてしまう

 君に僕の季節の舵取りを