反復 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 
 
 不可思議な夜
 遠雷が花火の如く繰り返し鳴る空に
 星幾百も瞬いて在り

 星の無意味を眺めやり
 無意味に時を過ごしける
 無意味のただに有り難き

 流星の光の尾
 水飴の如くに引き延ばされて我を呑む
 夜空のかくも甘く耀ける日に

 時の潮(うしお)の満ち来たるらし
 ともにこの海を往く覚悟あり
 一億の夜また一億の朝