天使のように軽く | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある



 あなたは天使のように軽くなり
 空の深みに召されてしまった

 どうして地上の
 地上の汚濁の中の細い清き流れを愛さずに
 天上の花だけの園の至高の愛を望んだか

 いのちとは空気のように軽いものだけど
 それでも空気と同じではない

 あなたはその
 ほんの数ミクロンほどの違いに気づかずに
 天使の羽を手に入れた

 愚かに甘い光の翳り


 できるなら
 いつまでも
 まだ手さぐりしている天使でいればよかったのに