「読む」と「書く」 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 
 
 幸せな時には

 人は本を読まないのではないかと前に書いた

 もしかすると同じように

 幸せな時には人は書くこともしないのではないか



 ブログを書く人たちが

 不幸だとか孤独だ言ってるわけではない

 幸せとか不幸せとか書きはじめてしまうと

 そうなってしまいそうになるけれど

 なんと言おうか

 満たされきっていない何かがあるから

 読んだり書いたりするのではないかと言い換えよう



 渇望が人をして書かせしむ



 それは孤独であるから誰かに読んでもらいたい

 という場合もあるかもしれないが

 それとは異なった理由もあっていいと思うのだ


 何事かをつかまずにはいられない

 はっきりさせておきたい

 何かの答をみつけたい

 そういうことも渇望だろうと思う


 人はそうやって書いて そして 考える

 書きながらではなく書くというよりも

 書くことそのものが考えることになる


 

 満たされていると考えがまとまらなくなる

 頭まで幸せでのんびりしてしまうからかもしれない


 幸せ過ぎないために

 適当な距離を売ってくれる距離屋さんがやっぱり必要なのだ