嵐の後の風は嵐の狂おしさを誰かに教えるだろうか
土に落ちた花びらは花の盛りの花の雲を映すだろうか
そこにいない不在の肖像はどんな顔をしているのだろう
見えないものを映した鏡の向こうには一体何があるのだろう
僕たちの毎日は失われて見えなくなったメモ用紙のようだ
書かれたことはぼんやりと覚えていても
一文字一文字に一画一画に震えてインクの色に映ったものを
僕たちは二度と見ることはないだろう
過ぎ去って失われていく出来事の淡い翳りを
僕たちはじっと手に握ったままその出来事をもう二度と見なくなる
僕の手紙は僕が震える声でやっと言った言葉を映すだろうか
頬を濡らしたままただ僕の胸に居た君を時は何処に運んだか
僕は何だかとんでもないものを
思い出してしまったような気持ちになったのでした