嵐が夜を 嵐が夜を掻き回していった 鉛のように重い雨と 荒々しい神のような風が闇を突き破って 枕に置かれた僕の頭を 小石のように巻き上げた 耳元で叫んで地団駄踏んで 逞しい木を揺さぶりながら 草の葉を吹き鳴らし 家々の頬を平手で打って止まらなかった 安寧の日を疑いもせずに生きている 非力な僕たち人間の眠りを 今こそ断ち切る時だと言わんばかりに 轟々と けれど嵐が過ぎ去ると 明るい秋の日が街や野をふくふくと満たしている もうこれで目的は果たしたのだと言うこともなく