満ち干 夜の奥底で見た夢は 遠いさざ波に微笑んだ君の顔 手を伸ばさずに 僕は息を吸い込んで 何ごとか言う 君には聞こえない僕の声 横を向いた君の 月の光のように真っ白な乳房が 見えない風に掻き乱されて消えかけて いつものように覚める夢 夜の向こうで波の音 退いては寄せる海を抱いたまま 僕は息を吸い込んで 何ごとか言う ああ君のやわらかき足の冷たさよ 流れる時のかなしさに また海が鳴って 鳴りやまぬ 夢であると知りながら 満ちて退きまた満ちてくる月と潮