水を切る | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある








  生きてあることは

  何かに触れてあることだ

  そして時には

  触れたものを振り捨てていくことでもある



  水面から飛び立って

  飛翔の跡を

  水滴の形で残して飛んだ鷺



  その一滴々々にもまた

  数知れないほどの小さな命が含まれていたに違いない



  命は数限りない連珠の歌なのだ

  飛散してもなお繋(つながり)りの形を煌(きらめ)いている












            一枚目の写真は二枚目の写真の一部です
            それもまたひとつの連珠かもしれません
            三枚目はアオサギ 水面での捕食から舞い上がっていきました