秋のブラウス どこまでも音が聞こえない光の日 物干し棹の 仄かにベージュの白いブラウスが 風に誘われて 野原を飛んでいった 彷徨(さまよ)う人になり ときどき 秋の木々の葉と色を競いあい 午後二時半過ぎの太陽に話しかけたりもした やがて水気は消えて 透き通るほどにやわらかに乾いたので 女主人のもとに戻ることにした 風と陽の残り香が匂うように すっぽりと身体を包んであげて ふくらんだ秋を彼女の肌に届けよう