投げあげる言葉 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある



 いつ投げればより多くの人が見るだろうか
 そんなことを考えずに

 言葉で描いた風景の
 その感情に適した時刻に投げあげればいい

 それはきっと僕の
 僕自身の気持ちに素直に従ったことなのだ

 人はそれを異なった時間に
 もしかするとずっと隔たった時刻に見て
 異なる感情をもつかもしれない
 いや持つだろう
 それどころか
 下手をすれば目新しい次の言葉に気を取られ
 見逃してしまうこともあるだろう

 でも
 それは恐れるべきことではない
 その異なりをこそ知りたくて
 僕は言葉を投げあげていたはずだから
 見逃されるならそれもいい
 路傍の石は静かに笑うだろう

 すれ違いゆく道の
 すれ違う人の有り様も
 遥かに遠く同じに見える山影も
 いずれもこの上ない真実として認め合う生き方を
 ただ知りたくて






                                             /'''\  <ー 「やま」って打ったら、、、なるほどねぇ