僕は目が見えない
手触りで見たつもりになっている
もしかするとこのまま
死ぬまで見えないのかもしれない
いいのだ
どうせ見えたって
本当のことは見えはしない
それでも色を見てみたい
形はわかるけど色は分からない
世界は真っ暗だ
このまま死ぬまで見えなかったら
夕日の赤も草の緑も
雪の白
空の蒼
死ぬまで見えなかったら
そこで目を閉じて寝ていた自分に気がついた
目を開ければ
色があるんだと
その当たり前のことが怖くなり
僕は目を開けられないままに強ばっていた
そんなもんさ
人生は
見えないことを恐れて目が開けられない
そんなもの
本当は見える奴ほど臆病だ
目が見えない
奇妙な言い方だ
鏡なしに自分の目が見える奴がいたら宇宙人