遅い午後
人の営みを見たくなって小雨の海べりを歩いた
おびただしい数の漁船とクルーザーの写真を何十枚も撮り
干された漁網とブイを避けながら歩いた
雨が強まっては弱まり
風力発電のプロペラを風に代わって回していた
止まったような時間の中で漁る者たちはゆっくりと動き
行き交う船の作り出す波が浮きを揺らしていた
音もなく方向を変える飛行機の下の防波堤には
鴎たちが何十羽も羽を濡らしたまま黙って整列し
釣り人や採集者を眺めていた
蜻蛉(とんぼ)翔べ翔べ
もうすぐ日が落ちる
僕の海辺に日が落ちる
歌ってはみたけれど
僕は網も竿も船さえも持っていなかった











