時間飛行 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある








 空を飛ぶものに憧れていた

 高く

 そして陸地を後にして

どこまでも



 でもそれが

 いつの間にか

 気づいた時には

 空よりも高いところを飛ぶものに

 つまりは時間の空を



 古いネガから見つけた

 この飛行機みたいに

 僕は未来と過去の

 時間の中を飛行し続ける

 「今」という陸地を遠く離れて

 いつまでも

 ずっと

  遠くへ