案山子(かかし)の村から | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある







  遅い午後

  少女は花摘みに案山子の村に迷い込み

  不思議な愛を

  見つけて帰る


  そんな現の(うつつ)の

  夢を見た