瓔珞(ようらく)の風 開け放したる火頭窓を抜け 五月薫風のつと入り込めば 御仏の胸に掛かりし瓔珞を 微かに揺らして過ぎにけり ただ熱からざるやその胸の 覚者なるとも人にしあれば 断つ如く離れゆく矢の音に しばし我を忘れし禅堂の床 若ければ竹の如く信じたる 道いまだ忘れざる身は悲し