春の憂鬱・花の影 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


 花うつくしければ花の影

 笛うつくしければ音の影

 翳りて悲しき春の宴に

 今一度の逢ふこともがな

 行方知られぬ春の夜の風






                                                  ☆