ROMとRAM | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


 ROMは read only memory で
 自分からは喋らない奴
 RAMは random access memory で
 ランダムなのでどうアプローチすればいいのか分からない奴

 違うな

 まあ何て言うか
 RAMは書いたり消したりできる奴
 何度でも使える
 小回りの利く再利用可能な
 とてもお得な記憶素子

 ROMは書き込んだとき以外はもう書き込めず
 でも間違って消したりできない分
 それなり確かなのだけど
 一度書いたら取り返しがつかない

 内容が要らなくなったら交換するか廃棄する
 BYE!

 書き込んでない残りの部分は
 まだ未知数だとしても
 人生って奴もそういうもの

 書いてしまったところは取り返せない
 一度っきりの書き込み

 書いてしまえば
 忘れるということのない
 一度きりのメモリー

 僕にとっての
 あなたのように

 WRITE ONCE