静まり返る夕暮れに光射す径
深い感情に満たされてじっと
立ち阿修羅が祈り続けていた
僕は手をぱたぱたと動かして
阿修羅の姿を真似ようとした
ふと目を上げて阿修羅が笑う
そなたの腕は二本しかないと
僕は笑わずに阿修羅を見つめ
ええだから悲しみも懺悔心も
貴方の三分の一ですむのだと
寸刻のあいだ阿修羅は沈黙し
ではなぜ私の真似をしたのか
三倍幸得ることもできぬのに
僕は目を伏せ二本の腕を挙げ
三倍の貴方の悲しみをいつか
担わねばならぬ日来るのなら
どのようにして耐えるかを今
貴方から学びたいと思ったと
それを聞いて阿修羅は目閉じ
それきり何も言わなくなって
静かに時の河を渡って行った
いつかまた貴方にまみえる日
そっと貴方に言えるだろうか
この二本の腕で三倍の悲しみ
抱きしめて生きてこられたは
今日の語らいのお陰だったと