その日 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


 あなたに出会った日
 あなたは笑いながら僕に言った
 「私は何処にいくのかしら」と

 あなたと別れる日
 僕は泣きながらあなたに言った
 「もうその問いはいらないのだね」と

 「人はみな何処かで生まれ
  何処かで眠りにつくものだ」と
 誰も確かには教えてくれないのだけれど
 それでも確かに分かる日がある