ねぇ
そう思わないかな
僕たちは皆別々の時間を
それぞれの時間を生きている
画面の中の君も
そこで笑ってるあなたも
場所の感覚はときどき失われる
一緒に居れば尚のことだけど
それでも君の時間と
僕の時間は同じではない
ときには君は生き急ぎ
ときには僕は立ち止まる
それに
君が生まれてから生きてきた時間の軸は
僕のそれとは違うんだ
時はどこかで交差して
一緒の時間を生きることになり
僕はその
僕とは別の時間の虜にもなって
別の時間を生きることになる
あのひとのこれまでの話を聞いていると
僕はいつのまにかあのひとの時間に吸い込まれ
長い人生を生きてきたみたいになる
ダフネの時間はまだ浅い
それだけまだ柔らかで瑞々しい
僕には戻れない時間だけれど
それでも僕はダフネと並んで海を見る
海の時間は
僕らの時間の違いとは比べ物にならないくらい
長くて深いんだろうと思いながら
Mの時間は
Mの時間は僕のとそんなに違わない
それでも
僕たちは別の時間を生きている
Mは今はここにいない
でもそれはただ場所の問題なのだけれど
そうなった理由には
別々の
僕たちの時間がある
目になんか決して見えないことだけど
時間の流れは
まるで細長い幾本もの布地のように
流れては触れ合い
滑り行き
遠ざかり近づいて
別々の時間を生きることと
別の時間を生きることの
鮮やかな違いを
僕たちに教え続ける