夜の
人の顔の見えない
街なかを
風の
冷たくて息が切れてくる郊外を
のろまなバンの黄色いライトを
ひたすらに追い越して
遠い街灯の光のほかは暗黒の
家一つ見えない野の上を
目的もなく
想いもなく
ただ
走る
オリオンのベルトが煌めく空を
突っ切って
誰もいない道路の上を
理由ない衝動で
心臓よ止まれと言うかのように
闇を突っ切れ
突っ切って
燃え広がる野火の命を
なお前へ
突っ切って
突っ切っていく
立ち止まることのできないランナーの
押し殺せない息を
青白くなびかせて
止まって昨日の記憶に生きるのを止め
歩いて今日をしっかりつかむのも止め
止まらぬ時に負けまいと
この夜のうちに明日に届けと
すべて未定の明日に向き
今日という日を
突っ切って
冷たさに耳が凍るのを
身体の奥の燃える火が許しはしない
突っ切って
突っ切っていけ
すべての想い振り切って
ただ前へ