幸せの仮面 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある




 幸せはいつも仮面をかぶり

 やさしげに近づいてきて

 抱きしめた途端に

 氷の刃で胸を刺す


 だから僕はあまり幸せを

 信じない

 
 やさしげな仮面などかぶらずに

 幸せはいつも刺の中にあることを

 あからさまに示してくれれば

 いたずらに酔うこともないものを


 夢でも虚構でもない幸せを

 人はいつまで探せばいいのだろう


 こころに聞いても答はないさ

 とどのつまり

 答えは人がつくるものだから



 そう

 幸せの仮面は僕の仮面

 素直にはなれないでいる生き方の