釣り師風来坊のつれづれ日記 -7ページ目

サバのお話 (その5)

アジもさばも遊泳能力が高く、針に掛かるとその体に似合わない位強く引きます

特にサバは、かなりパワフルです

どの位パワフルかと言うとですね

500g位のオモリを付けた仕掛けを海の底に落としますよね

その途中でサバがエサに飛びついてハリ掛かりします

200g位のサバだと、オモリが突然沈み方が遅くなったり止まったりします

オモリと同じ重さの大サバだとオモリなどないように泳ぎまくります

こうなるともう手が付けられません

ましてや2~3匹ハリにかかると仕掛けがグチャグチャになるのです

サバは、縦横無尽に泳ぐ癖があります

それもものすごい速さです

釣り人は、このサバがかかると仕掛けをグチャグチャにされたり、回りの釣り人の仕掛けとオマツリしてしまうので嫌うのです

アジもパワフルなのですが、大抵は小型(20センチ前後)の物が多いのでここまではならないのと

習性で真下に逃げる傾向があるので、仕掛けがグチャグチャにならないのです

それにサバよりも下処理に気を遣わなくていいから喜ばれます(笑)

そんなわけでサバの群れがやってくると

釣り人は、サバの猛攻撃が始まると恐れおののきます (笑)

その6へつづく

サバのお話 (その4)

さて、この二つの食中毒がサバを食する上で注意しなくてはいけないのですが、

基本は冷やす事と鮮度が落ちる前に下処理を迅速に行う

生食の場合は早いうちに食べる

問題は、流通に乗る場合、この基本的な処理が正しく行なわれているかどうかわからないことです

だから売っているサバを生で食べるのは止めた方がいい

(但し、九州の方では、刺身用として魚屋でサバが売っています)

私のように自分で釣ったサバなら自己責任もありますし、なにより正しい下処理を自ら行なえますから

新鮮で安全なサバを生で食べられます 

・・・・多分ね (笑)

しかし、何故サバはヒスチジンを多く含むのでしょうか?

サバ以外では、マグロやブリも多く含まれます

実はこれらの魚には共通している事があります

そう、大海原を回遊し遊泳能力が非常に高いのです

あの小さなイワシやアジ、そしてサンマも遊泳能力が非常に高いです

船釣りをしていて、イワシやサンマが釣れることはないですけど、アジやサバが釣れることは多々あります

他の魚(例えばイカとかタイとかイナダ)を釣っていると、外道としてアジやサバが釣れることがあります

アジもサバもおいしい魚ですから外道として釣れても喜ばれると思いますよね

アジは喜ばれます

しかし、サバは喜ばれない事が多いんです(笑)

何故か?

その5へ つづく

サバのお話 (その3)

サバは美味しい魚ですが、反面食中毒のイメージもあります

サバの活き腐れと言いますよね

サバに代表される青魚は、鮮度が落ちるとある種の細菌が増殖しその酵素の働きによって青魚に

多く含まれるヒスチジンが分解されてヒスタミンが体内に蓄積されそんな魚を食べると、

ヒスタミン中毒を起こします

ヒスタミン中毒=アレルギー反応です

ジンマシンがでて腹を壊したり嘔吐を起こす

一般的に魚介類の食中毒と言えば、細菌感染(腸炎ビブリオ菌やサルモネラ菌)や

ウイルス感染(ノロウイルス)があります

他にもふぐ毒(テトロドキシン)、シガテラ毒、バラムツ(脂肪中毒)等もあります

サバの中毒は、これらとは違うアレルギー反応中毒です

カキの中毒と同じでサバにあたると精神的なトラウマになり以後サバが食べられなくなる人もいます

美味しい魚だし栄養価は食物の中では最高位ですから、食べられなくなるのは本当に気の毒です

少し話を戻しますが、このサバの活き腐という語源ですが、

「外見は新鮮なように見えても実は腐っていることがある それ程鮮度が落ちやすい」

という意味のようです

これこそ、サバの食中毒は細菌やウイルス感染などではなく、ヒスタミン(アレルギー)中毒を言い表しているのです

何故なら、普通に腐敗が進むと悪臭がしたり、身の質が著しく落ちたり、味が悪くなったりしますが、

サバの痛みは見た目も味も判らなくても、中毒を起こす程痛んでいるからです

もう一つの中毒は、アニサキスです

これは食中毒というより、寄生虫感染ですね

イカ(特にスルメイカ)やサバ等に多く寄生しています

普段は内臓に寄生しているのですが、宿主が死に温度が上がると、苦しくなって身にもぐりこむ習性があります

そしてそのアニサキスを生きたまま人が体内に取り入れてしまうと、アニサキスは苦しいので胃壁に食いついて体外に出ようとします

これで、腹に激痛が走ります

3~4日すると死ぬそうなので、それを耐え抜けば後は痛みもなくなるそうですが、その後の合併症も怖いので医者に行く事を進ます

因みにアニサキスが人間の体内で増殖する事はないそうです


その4へ続く

サバのお話 (その2)

鯖(サバ)と一言に言いますが、色々な種類がいます

その中でも私たちの食卓を賑わす「日本沿岸産」の鯖は、2種類です

それは、真鯖(マサバ)と胡麻鯖(ゴマサバ)です

*最近は輸入サバがかなり増えていて、上記以外の鯖が沢山食卓に上がっています

皆さんは、このマサバとゴマサバの違いを見分けられますか?

最近、この2種類を釣ったのでその写真を載せますね

といっても丸ごと乗せても判りにくいので、三枚に下ろした拡大写真です



IMG_20160126_232212819.jpg

マサバ


IMG_20160126_232211831.jpg

ゴマサバ

上がマサバ、下がゴマサバです

マサバは模様が少し大きくゴマサバに比べ幅広です

そしておなかが白い

ゴマサバは、縦じまの模様に加えおなかに胡麻の様な斑点が沢山あります


どちらもとても美味しいですが、マサバは、関鯖、金華鯖というブランドサバになります

これは、ゴマサバに比べて脂の乗りが良いからだと思います。

同じ時期同じ海域で獲れた大きな固体だと味は殆ど変わらないのではないかと思います

そんなわけでここから暫くは、全部ひっくるめてサバという名前でお話をします


その3 へつづく

サバのお話 (その1)

日本人でサバを知らない人はいないのではないか

少なくとも総理大臣の名前を知らない人よりサバを知らない人の方が少ないと思います (笑)

サバ、イワシ、アジ、サンマ
日本人にとって古くから重要な水産資源です

これらの魚は、海洋生物にとっても重要な食料でもあります
食物連鎖の一番下の方にいる魚類です

これらの魚が何故海洋生物にとっても人間にとっても重要な食料として太古から利用され続けているのか?

これらの魚を青魚といいます

背が青いからですが、アジはあまり青くはない(薄茶色も結構いる)ですけど、青魚の仲間になっています

この青魚の代表がサバなんです

サバを漢字で書くと「鯖」魚辺に青いと書きますよね

まさに代表です

この青魚は広い海原のある外洋を大きな群れを作って回遊します

人間も海洋生物もこの群れを追い、捕まえて食料とします

しかし、そんな事をすれば魚を全て食べつくしてしまい

やがてそれを食料にしていた生き物も絶滅してしまうのではないかと思うでしょ?


ところが、太古より繰り返されている食物連鎖は一度も切れていません

何故か?

私は魚類学者ではないので、科学的根拠のある話を書くことはできませんが、

青魚の代表である鯖にまつわる話を書きますので、その話の中の点と点を繋いで

答えのヒントにでもなればと思います


その2へ続く