わかってはいたけど泣いてしまった | へっぽこハンター日記

へっぽこハンター日記

新米ハンターのコトワがハンティングした音楽、映画、書物や芸術一般について語ります。

『ドクター・スリープ』観ました。

思うところあってガッツリネタバレ含みますのでご注意願います。

 

 

『シャイニング』の事件の40年後。

アルコール依存症から立ち直ろうとするダニー(ユアン・マクレガー)は、

小さな町に流れ着きます。

そこで介護の仕事を得た彼は次第に穏やかな生活を送れるようになってきていましたが、

とても強い能力を持つ少女アブラ(カイリー・カラン)が彼にコンタクトをとってきます。

ダニーが“シャイニング”と呼んでいる超能力、

それを持つこどもたちが魔物たちに狙われているというのです・・・

 

 

 

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僕はキューブリックの映画『シャイニング』のすごいファンというわけではないですし、

ましてやスティーブン・キングの原作を読んだこともないのですが、

それでもやはりこの映画は楽しみにしてました!

 

原作を知らないので、

映画『シャイニング』のラストとかは結局どういう意味があったのかなどについては、

よくわからない部分もあったのですが、

なんとなくこの映画を観て、テイストというか、流れがつかめた・・・ような・・・

 

正直『シャイニング』をはじめて観たとき、どういう気持ちで観る映画か測りかねたんですよね。

特に解決しないし、

なぜ先代の管理人であるグレイディ一家と1920年代の幽霊たちがここにいるのかとか、

ジャックとそこになんの関係があったのかとかよくわからないから、

(ラストの写真についてもどう受け止めたらいいのかよくわからなかった)

ミステリーではないし、

幽霊はいるようですが、

結局鍵を開けたり暴れたりしたのは精神を病んだジャックだからオカルトホラーって感じでもないし・・・

 

あのホテルの廊下をダニーが三輪車で走り回るシーンの低いカメラワークは最高だし、

よくわからないうさぎの被り物の人とか、グレイディの双子とかのヴィジュアルも素晴らしいので、

そういう視覚的な部分を楽しむサイコスリラー映画かなと。

 

原作者のキングはあの映画をとても好きではないという話は有名なんですが、

視覚的な部分を楽しむと思った映画の原作を読む気にはなれないから、

まあ、読んだこともないし、これからも読むことはないと思うんですけど。

 

で、『ダークタワー』を観て、

そうか、『シャイニング』はもともとはサイキックスリラーみたいな話だったのかもしれないなって思って、

そして、今作『ドクター・スリープ』で、その考えはだいたい合ってたんじゃないかなって。

そういうことなら、あの映画には不満も出るかもな、

“シャイニング”という能力を使ってダニーがなにか解決するわけではないもんな・・・と。

 

『リング』を観た後に『らせん』を観て、

原作の『リング』は全然ちがうアプローチの話なのかもしれないと感じたのとちょっと似てますね・・・

 

でも『らせん』は全然好きじゃないですが、

この『ドクター・スリープ』はめちゃ好きになりました。

 

ダニーにすんごい感情移入してしまったんですよね・・・

 

たぶんトラウマとの闘いからアルコール依存に陥ったであろう彼が、

優しいビリー(クリフ・カーティス!!素晴らしい俳優ですよね!)に助けられ、

生活を立て直していく様子が前半かなり丁寧に描かれていて、

彼が介護した老人から“ドクター・スリープ”と呼ばれるくだりで実は泣いた・・・

 

ダニーはこどものころから恐ろしい化け物たちに狙われて。

ハロランさんの霊に助けられて対処法を見つけた、

実はとても強い人間でもある。

 

能力が強いために狙われる少女を今度はダニーが助ける、となったときに、

彼がハロランさんと同じことをするだろうということはわかっていたけど、

わかっていたんだけど、でもそれでもラストも泣いた・・・

 

あれです、『ポルターガイスト』のタンジーナです。

『ポルターガイスト』はしっちゃかめっちゃかな映画シリーズでしたが、

最終作で思ったのです、

これは霊媒師タンジーナが覚悟を決めるまでのお話だったと・・・

そして『インシディアス』のエリーズもしかりです・・・

 

ダニーを演じたユアン・マクレガーはほんとにいい俳優さんだなとも思った。

頼りなさそうに見えたり、ヤバイ人に見えたり、

そのときどきでいろんな顔があって、もらい泣きさせられた・・・

 

魔物のローズ(レベッカ・ファーガソン)もまがまがしくて素晴らしかったし、

強い能力を持っていて、

きっといやなこといっぱいあっただろうに前向きな少女アブラはほんとにすごくかわいかった。

 

唯一気に入らなかったのがアブラやローズが空を飛ぶシーンなんですけど(ちょっとチープに感じました)、

でも、精神が自由に空を飛べて、ある意味では空間など関係ない能力者たちが、

最終的にオーバールック・ホテルという特定の場所に集まるという設定はおもしろいなと感じましたよ。

 

そういえば、劇中に登場した“人の死期を悟る猫”アズリールにはモデルとなった猫がいるそうです。

亡くなった人の名前を管理する係の天使・アズリエルから名前をとってると思われますが、

末期患者のホスピスでそんな名前の猫には出会いたくないなと思わなくもないですw

 

ホラー映画などで、動物が犠牲になるかどうかをチェックできる海外のサイトがあるって話をツイッターでみたんだけど、

たしかに僕は猫が死ぬ話は観たくないな!

この映画では!猫は死にません!アズリール万歳!

ヾ(*´∀`*)ノ

 

でもこどもは死ぬな・・・しかもジェイコブ・トレンブレイくんが・・・

彼の恐怖演技、大人の演者全員が震えたらしいです・・・罪悪感で・・・

天才子役、おそるべし・・・

(;^ω^)

 

 

『ドクター・スリープ』観る前に『シャニング』観ておこうと思い、

観た後には『レディ・プレイヤー1』観たくなるって言ってる人がツイッターにいて、

わかりみファイヤーですよ。

というわけで、このあと、スカパーで『レディ・プレイヤー1』を観ました、

へっぽこハンターコトワでした!

ヾ(*´∀`*)ノ

 

オーバールック・ホテル、ヤバいよねー!!

v(*^^)vv(*^^)vハーイダニー!