今季の2部最後の試合となった東北工大ブルーレイダースVS山形大トムキャッツ。残念なけが人で前の試合を流してしまった東北工大は、ギリギリの12人、対する山形大も15人という少人数同士の対戦となりました。


試合は工大のキックオフで開始、山形大はQB#1井上のパス、RB#47小野寺のランでシリーズを進めますがダウンを更新できずパント。工大はQB#6岩館、RB#9久慈のランプレイを展開しますが、こちらもダウン更新とはならずにパントとなります。どちらのチームも後半のスタミナ切れが懸念されるので、早めに得点して相手を突き放しておきたいところでしょう。しかし、第1Qは、パントの応酬で静かな展開となりました。試合は第2Qに動き出します。攻撃権を得た工大はQB岩館が左オープンを快走、先制のTDをあげました(TFPキック成功、7-0)。

先制を許してしまった山形でしたが、大型RBの小野寺のダイブやWR#19松本へのショートパスで小刻みながら前進します。最後はRB#20小田部がエンドゾーンに飛び込み、トライのキックも成功して、7-7と試合を振り出しに戻しました。

これに対し、工大はすぐさま反撃します。一人一人がフットボールをよく理解している工大は少人数のチームにはありがちなスタミナと粘り、そしてボールに対する執着を見せ、前半終了前にQB岩館が再びエンドゾーンを駆け抜け山形を突き放しにかかりました(TFPキック失敗、13-7)。


後半開始直後のシリーズ。レシーブで攻撃権を得た山形は、そのシリーズを敵陣24ydまで進めます。この24ydをRB小野寺が走り切り、TFPもキックを成功させて13-14と試合をひっくり返します。続く工大も山形エンドゾーンを目指してドライブを開始します。RB#14柳谷のダイブ、TE#88及川へのパスなどで敵陣深くまで攻め込みました。ここでQBはパスをチョイス、WR#41若山、TE及川らがエンドゾーンまでパスコースを走りました。しかし、QBが投じたパスは無常にも山形DB#1井上の胸元に飛び込んでしまいます。井上はこのインターセプトを自陣26ydまでリターンし、攻撃権を獲得しました。山形はこの攻撃でメインターゲットとして活躍していたWR#7高澤へのパスを通し、キャッチした高澤が工大陣31ydまでRACで進みます。山形の勢いは止まりません。次のプレイではRB小野寺がスィープで13ydsゲインし工大陣18ydへ、さらに次のプレイでRB小田部がダイブでゴール前3ydへ、締めくくりもRB小田部がエンドゾーンにダイブし追加点をあげます(キック成功、13-21)。


山形のディフェンスは次の工大の攻撃でもビッグプレイを生みます。工大QBの放ったパスを山形OLB#72菅谷がインターセプト、工大陣35ydで攻撃権を得ました。このチャンスはRB小野寺がオプションのピッチを受けて左オープンを快走、TDをあげます(キック成功、13-28)。なんとか追いかけたい工大ですが、RB久慈がダイブ、オープンと走って2度ダウンを更新するにとどまり、山形に攻撃権が移ってしまいます。山形はこの攻撃で第4ダウンにディレイオブゲームの反則を犯してしまいます。さらにセンターがスナップミス、ボールを拾ったパンターが走りながら蹴ったパントを工大は山形陣5ydまでリターンし、絶好のチャンスを迎えます。しかし、この攻撃はブラストでマイナス1yd、QBキープでマイナス3yds、再度のQBキープで5ydsゲインしたものの、第4ダウンギャンブルで工大OLがフォルススタートを犯し、第4ダウン残り11ydsのギャンブルになります。WR#88へ投じられたパスは不成功で、追撃機を逸してしまいました。最後には山形のパスを工大DB#6岩館がインターセプトし、センターラインまでリターンしますが、ここでタイムアップ。山形が有終の美を飾りました。



TEAM
1Q
2Q
3Q
4Q
TOTAL
東北工業大学
0
13
0
0
13
山形大学
0
7
7
14
28

東北学生リーグ2部の最終週が2日、仙台の東北工大青葉山グランドで開催されました。第1試合は2部優勝決定戦となった東北学院大学VS秋田大学の対戦。ここまで無敗の両チームがまさに激突しました。詳しく試合を追ってみましょう。


セレモニーは試合開始5分前の10:55から始まりました。東北学院大学がキャプテン#43武田、バイス#23佐藤、#88山本の3人、秋田大学はキャプテン#58増田、#17平光の2人です。コイントスで東北学院が勝ち、前半のレシーブをチョイスしました。


【第1Q】

学院は#20北風が自陣18yd付近でボールをキャッチ、自陣32ydまでリターンします。学院最初のシリーズはプロI体型、対する秋田は4-4ディフェンスです。第1ダウン、QB#47菅原のハンドオフを受けたRB#23佐藤がダイブを試みますが1ydのゲイン。続く第2ダウンでは#88山本がブラストでウイークサイドのオフタックルをついて4yds獲得とまずまずの出足です。第3ダウンではパス体型からQB#47菅原が左オープンをスクランブル、5yds進んで1stダウンを奪います。ダウンを更新しての第1ダウンでは秋田DL#99平野がQBサック、第2ダウンでもQB菅原を右オープンに追い詰めゲインを許しません。第3ダウンではRB佐藤がドロープレイで10yds進みますがダウン更新には至らずパントとなります。攻撃権を得た秋田はQB#8岸がダイブフェイクから左のオフタックルを突いてダウンを更新したものの、続く攻撃ではWR#88高橋へのパスが失敗、RB#17平光のオープンもロスタックルとなりパントとなります。自陣18ydまで戻された学院はRB#35青木がダイブで4ydsゲインしますが、第2ダウンでQBからのオプションピッチが悪く、ボールをファンブル、秋田にロスタックルされてしまいます。敵陣31ydという絶好のポジションを得た秋田でしたが、1度ダウンを更新して敵陣20ydからのFGトライに失敗、このQは得点のないまま終了しました。


【第2Q】

サイドが入れ替わった第2Qもパントの応酬が続きます。ベンチにとっても選手にとっても胃の痛くなるような展開で時間だけが過ぎていきました。動きがあったのはこのQの最終盤でした。残り時間は2分を切っており、学院はタイムアウトがない状態で攻撃権を得ます。自陣24ydからのドライブはRBのダイブでノーゲイン、2yds、この日初めて見せたパスプレイでTE#43武田へのショートアウトで6yds進んだ第4ダウン、パンター佐藤はスナップされたボールをキャッチすると、リターンに備えて下がり気味のシフトを敷いた秋田ディフェンスの間をかいくぐって14ydsのビッグゲインをします。まだ自陣でしたが、学院は風上、残り時間を考慮して封印していたパス攻撃を開始しました。正QBが前の試合で怪我をし、急遽コンバートされたQB菅原は、TE武田、WR#80小野寺へ次々とパスをヒットさせます。急造QBにパスはない、と考えていた秋田ディフェンスは、この正確なパスに動揺、CBのカバーが甘くなったところでストレートパスをキャッチしたWR小野寺が秋田ゴール前4ydまで進みます。残り時間は4秒。インフィールドでデッドとなったため、ベンチは「スパイク」を指示しますが、レフリーのレディーフォープレイで時計が動くため、このまま前半終了かと思われました。が、なぜかここで秋田がタイムアウト。レディーフォープレイはかけられていたので、時計は進み、残り2秒で止まりました。「たら、れば」で解説をしてはいけないのですが、あのときにタイムアウトがなければ、前半は終わっていたでしょう。そしてタイムアウトが解け、前半のラストプレイ、ゴール前4yd。学院は躊躇なくパスを選択しました。短いパスがTE武田のふところにすっぽり吸い込まれました。TD。ついに均衡が破れました。TFPはロンリーセンターから意表をつくダイブプレイ、2点を追加、学院が8-0で前半を終了しました。


【第3Q】

後半は秋田のレシーブで開始されました。RB#21溝口、#29岩佐がダイブを試みますが、アジャストしてくる学院DL、LBの前にロングゲインをすることができません。秋田のプレイをよくスカウティングしていた結果なのでしょう。体格で上回る秋田OLに対し、2線目のLBの動きがよく#5古川、#67阿部らがタックルに参加していました。秋田の敵陣35ydからの攻撃も学院DBがインターセプトしてチャンスの目をつぶします。しかし、ここで試合の流れを変えるようなプレイが起きます。このインターセプトで学院は自陣24ydからの攻撃となるのですが、3回のダウンがすべてノーゲイン、第4ダウンのパントとなります。このロングスナップをセンターがオーバースローしてしまい、ボールは転々と自陣ゴール前に転がってしまいます。当然秋田のDLはこれに殺到、セイフティにこそなりませんでしたが、ゴール前1ydでボールがデッドとなります。秋田は次の攻撃でQB岸が自らエンドゾーンに飛び込みました。同点を狙ったTFP2ポイントはパス失敗となりますが、8-6と2点差に追いすがります。

今季なかなかロングドライブで得点ができていない秋田ですが、続くキックオフからの学院の攻撃を4回で終わらせると自陣37ydからドライブを開始します。RB溝口、#1阿蘇、岩佐らがダイブやオフタックルをつき、ショートレンジへのパスがWR#89吉田、#18堀池らに決まりはじめます。最後はゴール前1ydからRB岩佐がもぐりこんで逆転のTDを奪います(TFPキック成功、8-13)。


【第4Q】

泣いても笑っても今シーズン最後の12分が始まりました。得点差はわずかに5点、1TDで逆転が可能な点差です。しかし、学院は攻撃が続きません。サイズのある秋田DL#50安藤、#58増田、#63藤井、#51平野らが前線に壁をつくり、その間を抜けてくる学院RBをLB#9小林、#25高橋、#59古田、吉田らがすかさずフォロータックルするというディフェンスを見せます。逆に秋田はキッキングゲームで有利な状況を作り、学院のパントが余り飛距離のないこともあって、敵陣での攻撃が続く展開となっていきます。このQでもゴール前3ydからRB岩佐がこの日2本目のTD(TFPプレイ失敗、8-19)。追撃をあせる学院QBが放ったパスを秋田LB古田がインターセプトし、残り19ydsをWR堀池へのパスで得点する(TFPプレイ成功、8-27)など、学院は攻撃の歯車がかみ合わないまま、今シーズンを終えました。



TEAM
1Q
2Q
3Q
4Q
TOTAL
東北学院大学
0
8
0
0
8
秋田大学
0
0
13
14
27
WRやSE、モーションマンがプレイ開始と共に守備側のLBやFSに対して腰から下にブロックする行為は、一定の条件を満たせば反則とはなりません。しかし、その条件から外れてしまうと「クラックバックプロック」という反則となります。本項ではこの反則について解説します。

まず、いつものようにルールブックを見てみましょう。第9篇「規則の適用を受ける者の行為」、第1章「接触と妨害による反則」、第2条「公式規則の適用を受ける者」のeの1と2にスクリメージプレイにおける腰から下のブロックについて書いてあります。少々長くなりますが、引用します。
[eの1]スナップ時に攻撃側中央のラインマンから7ヤード以上離れて位置する攻撃側のラインマンは、ニュートラルゾーンの手前からニュートラルゾーンを越えて10ヤードまでの間では、スナップ時のボールの方向に対して腰より下のブロックをしてはならない。

これはラインマンに対する規定です。センターが攻撃側の中央に位置するとは限りませんから、7人のラインマンの端から4番目の選手を「中央」とします。最初のポジションがその「中央」から7ヤードより外側ですから、一般的にはSEを指していると理解してください。

[eの2]バックスは、スナップ時に通常のタックル(スナッパーから2人目のプレイヤー)の身体のフレームより完全に自己の身体のフレームが外側に位置するかまたはモーションしている場合、ニュートラルゾーンの手前からニュートラルゾーンを越えて10ヤードまでの間では、スナップ時のボールの方向に対して腰より下のブロックをしてはならない。

こちらはバックスに関する規定です。タックルより完全に外側ですから、ウイングバック、スロットバック、WRと考えてください。さらに最初の位置がどこであれ、モーションしているバックスも対象となります。

次に共通する内容を見てみましょう。「ニュートラルゾーンの手前からニュートラルゾーンを越えて10ヤードまでの間」とあります。つまり上記の位置条件に合致する攻撃側のプレイヤーは、ニュートラルゾーンの手前でも、ニュートラルゾーンから10ヤードまでの間でもブロックに制限がある、ということです。
「スナップ時のボールの方向に対して」実はここの解釈が難解でもあり、誤解される要素にもなっています。「スナップ時のボールの方向」とは、どの方向でしょうか。これはボールがそのダウンでセットされた位置から前後のゴールラインに向けて垂直の線を引き、その線に向かってということです。

「ボールの方向」という表現が強調されている為に、そのダウンでボールが進んでいる方向と勘違いされやすいのですが、あくまで「スナップ時の」ボールの方向ということです。

逆にいえば、ニュートラルゾーンから10ヤード以上離れてのスナップ時のボールの方向への腰から下へのブロックや、スナップ時のボールの方向とは逆の方向に向かっての腰から下のブロックは反則ではありません。また、タックルより内側にセットしていたバックスや攻撃側ラインマンの中央から7ヤード以内に位置していたラインマンは10ヤード以内でも腰から下のブロックはできる、ということです。
3日、仙台大学柴田グランドで行われた1部2試合で、08年度東北学生リーグのレギュラーシーズンが終了しました。

【第1試合】

仙台大学シルバーファルコンズ(3勝1敗)14-0岩手大学バイソンズ(2勝1敗1分)

戦前には有利と言われていた岩手大でしたが、優勝へのプレッシャーがあったのでしょうか、攻撃陣に精彩がなく、4インターセプトを喫してしまいました。仙台大はロングパスを効果的に得点につなげ、守備陣は岩手大を完封、有終の美を飾りました。


【第2試合】

東北大学ホーネッツ(4勝)63x-7弘前大学スターキング(1勝3敗)

第1試合で岩手大が敗れたため、東北大はどのような形(コールドも含む)で勝利しても優勝が決まるということになりました。その東北大は第1Qにいきなり27点をあげました。弘前大は後半最初のシリーズでショートパスから長いRACでTDをあげますが、東北大の猛攻を守備陣が支え切れず、第4Q6分過ぎに最後はFGで56点差をつけられ、コールド試合となりました。

この結果最終成績は以下の通りとなりました。

1位 東北大学ホーネッツ(3勝1分)
2位 仙台大学シルバーファルコンズ(3勝1敗)
3位 岩手大学バイソンズズ(2勝1敗1分)
4位 弘前大学スターキング(1勝3敗)
5位 日本大学工学部クロウジャッケルズ(4敗)
優勝した東北大学は、本日札幌で行われた北海道学生リーグのプレイオフで勝利した北海道大学と16日、ユアテックスタジアムでパインボウルとして対戦します。
また日にちが前後してしまいます。年にいくつかあるボウルゲームで、関東、関西で実施されるものは、審判クルーが東西折衷の「スプリットクルー」と呼ばれる編成で行われていました。(現在ではそれぞれの主催地区の審判のみになっています)
私がまだ岡山にいた時ですから、阪神大震災の前の年だったと思います。学生は甲子園ボウルで日大が勝ち、社会人は東京スーパーボウル(のちにNFLに配慮して「ジャパンXボウル」に改名)でシルバースターが勝ったため、お正月のライスボウルが関東同士の対戦となりました。
この時に関西審判部が粋な計らいをしてくれました。関東に派遣するクルーは3人だったのですが、その3人とも関東の大学出身を選んでくれたのです。鳥神出身のY井さん、旧財閥系の非鉄金属メーカー勤務のY川くん、そして私でした。Y川くんは東小金井の国立大学出身でした。
私とY川くんは元々関東審判部の経験があり、Y井さんは関西審判部の幹部でしたから、試合前の打ち合わせもスムーズに進み、順調に試合が進行していきました。

絶対的な強さを誇った日大でしたが、その強かった頃のOBが所属していたのがシルバースターでした。試合は一進一退の攻防となり、今は茗荷谷のガラガラ蛇の監督をされているN村君が逆転のTDを上げ、残り時間は数十秒という時に、それは起こりました。

伝統のショットガンからレシーバーを探して日大のQBがパスを投じました。私はSJといってバックフィールドの主にパスに関する判定を担当するポジションでした。
マークしたレシーバーとディフェンスバックに反則がないかを注視しながらプレイヤーとともに移動、投げられたパスはわずかに短く、回り込んだシルバースターのDBによってインターセプトされました。
攻守が交代し、インターセプトしたDBは自ら得点を狙って相手ゴールを目指します。私は一番近い位置にいたので、そのプレイ中に反則が生じないかを見るためにインターセプトしたDBに近付きました。普通はインターセプトすればまっすぐに相手ゴールに向かって走り出します。その時も私はこのDBがそうすると予想して近付いたわけです。

ところが、このDBは味方に自分の進む方向をブロックさせようと、いきなり後ろ側(すなわち私がいる方)に向かってきたのです。
試合会場は東京ドームで、まだ人工芝が今ほど普及しておらず、私も不慣れでした。向かってくるDBとの距離をとろうと、前方に向かって加速しかけていた姿勢のまま、後退にギアチェンジしました。
結果はギアチェンジ失敗、私は見事に転んでしまいました。試合中の転倒は、それほど珍しくないことなのですが、この日のライスボウルはNHK教育で生中継、しかもシルバースターが勝利を確定させたプレイだったので、私の転倒は全国に流れてしまいました。

それだけならまだよかったのですが、その試合をTVで観戦していた私の父親が、リプレイされたそのシーンをカメラに収めて残してしまったのです(笑)

今年も何度か審判の転倒を目撃していますが、私の転倒くらい多くの人が目撃したものはないと思っています。