2日行われた東北工大VS山形大の試合で、東北学生リーグ2部はレギュラーシーズンを終了しました。

第2試合となった同カードは、28-13で山形大が今季初勝利をあげました。

【最終成績】
1位 秋田大学オーガーズ(4勝)
2位 東北学院大学カヤックス(3勝1敗)
3位 山形大学トムキャッツ(1勝3敗)
4位 東北工業大学ブルーレイダース(4敗)
準加盟 北里大学獣医学部カウボーイズ(2勝2敗)

秋田大は初優勝、24日に入替戦で1部5位の日大工学部と対戦。
東京に戻った私は、当然のようにFOA関東審判部の所属となり、その年の秋からコキ使われるようになります。当時はローカルグランドでも1日3試合が普通のことで、若いメンバーは第1試合と第3試合の担当になることがほとんどでした。稼働実績は1年で最低25試合、もっとも多い年で30試合を超えていました。





勤務は東京本社に3年、その後横浜に転出、川崎も含めて5年神奈川にいて、その後また東京勤務ということで、通算10年以上FOA関東に所属し、いろいろと勉強させていただきました。その後岡山に5年、所属はFOA関西審判部となり、毎週末に新幹線で大阪、神戸に遠征して審判活動は続けていました。そしてまた、本社へ。FOA関東に2度目の登録です。今回のお話はそんなある年の秋のリーグが始まったころのお話です。





台風の関東直撃が例年より多い年のことでした。当時の住まいは埼玉でしたが、審判で行かされるのは、メイン会場の駒沢オリンピック公園(まだアミノバイタルはありませんでした)やロッテが千葉に移って都市対抗野球や高校野球の会場になっていた川崎球場などもありました。台風が関東に迫っているという情報が流れる中、その日のアテンドは川崎球場でした。ご存知のように埼玉から川崎までは京浜東北線で1本で行けるのですが、途中で荒川(埼玉・東京との境)と多摩川(神奈川・東京の境)という2大河川を渡らなければなりません。第2試合のレフリーを仰せつかっていた私は、第1試合の観戦も兼ねて、早めに川崎に到着していました。





雨の降る中、グランドに到着すると、試合はすでに始まっていました。この日は社会人の試合で、まだXリーグ専属の審判員がおらず、私達学生担当の審判が社会人の試合も担当していました。


第3Qが終わりかけた頃、社会人協会の理事さんから呼び出されました。本部に行くと川崎球場の係員さんもいます。「実は台風の影響で、球場の排水が間に合わないくらいの雨量なんです」担当理事さんが言いました。「すでに側溝からあふれた雨水がホームベースの位置にたまりはじめてます」係員さんが情況説明してくれました。「審判さんとしては、試合できるとお考えですか?」と理事に聞かれた私は「試合をするかどうかの判断は主催団体さんがしてください。我々はその指示に従います」と返事しました。すると係員さんが「始末の悪いことにあふれた雨水で手前のゴールポストの下の人工芝が浮いて来ていて、強い風が吹くと倒れる恐れがあるんです」係員さんの説明を聞いて対戦チームの監督さんと協会の理事さんが「では中止にしましょう」と結論を出しました。



これで話が終われば、天候不順でアメフトも中止があるんだな、というだけなのですが、この後が実は大変だったのです。

第1試合が終了すると、正にズブ濡れのクルーが戻って来ました。私がすでに私服に着替えているのを見て、第2試合の中止を知ったようでした。試合後のミーティングを終え、傘が役に立たないほどの雨の中を川崎駅に着くと、「多摩川が増水していて京浜東北線、東海道線は運転を見合わせています」というアナウンスが流れていました。
川崎から浦和の自宅に帰るルートはいくつかあります。1本で帰れる京浜東北線が動いていなかったので、私は南武線で武蔵小杉に出て、東横線で渋谷→山手線で田端→京浜東北線というルートで帰ることにしました。幸い南武線は定刻通りに川崎駅を出、順調に武蔵小杉に到着しました。連絡通路を通って東横線の駅に行き、切符を買って上りのホームに向かうと、ここでも「電車は遅れています」とのアナウンス。仕方ないと思い雨を避けて階段の途中で待つことなんと2時間!

結局川崎球場を出たのが午後1時過ぎで自宅に着いたのは夜の7時を過ぎていました。秋田から仙台まで下の道を通っても車で5時間くらいですから、私の審判人生で一番時間のかかった帰路でした。

仙台大学柴田グランドで3日行われる第2試合で、今季の東北学生リーグ戦レギュラーシーズンが終了します。もちろん1部優勝チームにはパインボウル、日大工学部と2部優勝チームには入替戦が残っていますが、最後の最後まで注目試合が続いたシーズンでした。

14:00 Kick Off

東北大学ホーネッツVS弘前大学スターキング


【東北大学】


初戦では、前半の圧倒的な不利をなんとか引き分けました。やはり今季の東北大はエースRBの存在が大きいようです。2戦目となった対日工戦では、第1Qでこのエースが負傷退場した後のランニングプレイに精彩を欠いていたことも事実です。ワンバック体型からモーションを多用し、2人のQBを使い分けてラン、パスをほぼ均等に行うバランスオフェンスで、攻撃力では東北で屈指といえるでしょう。3戦目となった仙台大戦でもディフェンスに的を絞らせない攻撃にはかなりの工夫を感じました。
守備に関しては、初戦で見られたCBのカバーミスもその後修正されたようです。一線目(DL)と二線目(LB)のタイミングのずれでゲインされる場面もありましたが、失点にはならずうまく機能しているようです。



【弘前大学】

リクルートに失敗したのでしょうか、春の試合よりも大幅にメンバーが減った状態でリーグ戦を迎えてしまいました。初戦となった対岩手大戦では、先制直後にきちんと反撃して1本TDを返したものの、その後は一方的な展開になってしまいました。2戦目の仙台大戦では、第1Qこそ互角だったものの、第2QにFGとセイフティで失点すると、スタミナ切れもあり、後半は失点を重ねてしまいました。初白星となった対日工戦では、前半に2TDをテンポよく重ねたものの、後半にオフェンスプランを変更してきた日工にディフェンスがアジャストできず、最終スコアも2点差という辛勝でした。やはり人数不足による苦戦はまぬがれないでしょう。


この対戦は、東北大の有利が否めません。人数的にも劣勢の弘前大がどこまで意地をみせることができるか、東北大にとっては第1試合の結果次第で得点に気を使わねばならないという微妙な試合展開となる可能性があります。まずプレイに集中することが両チームに求められることでしょう。この試合に全力を尽くすことを第一に試合に臨んでもらいたいものです。


【蛇足】

前日の1部最終戦①でコメントをいただいて気がついたのですが、現在までの得失点差(東北大+21、岩手大+42)が、第2試合にも影響を与えそうです。

第1試合で仮に岩手大が仙台大に35点以上の差をつけて勝利すると、現在の+42にその+35が加わり+77となります。この+77から東北大の+21を引くと+56となります。東北学生リーグの取り決めで第3Q終了以降に56点以上の点差が開くとコールドゲームとなります。今季の初戦の引き分けを受けて東北学連では「コールドゲーム、棄権試合の得失点は優勝に関連する得失点差にカウントしない」という規定が追加されたため、東北大は得失点差を生かすためには55点差以内で4Qフルに戦い、かつ岩手大が負けるか34点差以内で勝利していなければ、優勝とはならないことになります。3日の試合はどのチームもそれほど戦力に大差があるチームではないので、このような展開にはならないと思いますが、条件としてこれが加わることで、試合観戦の興味も増すことでしょう。

2部の優勝決定戦の翌日、3日には1部最終戦が仙台大柴田グランドで行われます。本来は8月の開幕戦だった2試合が荒天による順延でこの日になりました。この順延が、最終戦を非常に興味深い、注目度の高いものにしました。まずは第1試合の展望をどうぞ。

11:00Kick Off
岩手大学バイソンズVS仙台大学シルバーファルコンズ

【岩手大学】
初戦で前半のリードを守り切れず、引き分けてしまった岩手大。これが今季リーグ戦を面白くしてしまいました。この東北大戦は、はっきり言って岩手大のペースでした。ただハーフタイムで作戦を練り直した東北大に対し、岩手大は後半に余りに策がなさすぎました。続く2戦目は「北東北ダービー」として地元盛岡で弘前大を一蹴、得失点で+42を獲得しました。3戦目は日大工学部戦でした。すでにコールドゲームをしている同校ですので得失点の対象にはなりませんが、日工のマルチプルオフェンスに翻弄されてしまいます。24-0と完封はしたものの、攻撃力に不安が残る試合でした。岩手大は攻守ともに安定しています。QBは遠投力もあり、自らもボールキャリアとしての走りもあります。大型のラインは守備の第一線としても大きな壁になるでしょう。


【仙台大学】

初戦には日工を粉砕した攻撃力でしたが、怪我人でも出たのでしょうか、2戦目の弘前大との試合では、ランニングプレイがなかなかゲインせず、苦戦しました。ただ毎回書いていますが、仙台大はキッカーがよく、この弘前戦でもゴール前1ydで止めたパントからディフェンスがセイフティを奪っています。先日行われた第3戦の東北大とのゲームでは、攻撃陣がシャットアウトされ、優勝戦線から一歩後退してしまいました。ただ爆発力のある東北大オフェンスを4TDに抑えたディフェンスには注目です。キッキングゲームと守備陣の踏ん張りでチャンスを作り、確実に得点できれば、勝機は開けそうです。


この試合に勝ったチームが優勝候補となり、第2試合の結果待ちということになります。たら、ればの話しになってしまいますが、仮に岩手大が勝てばそのスコアの得失点差が弘前戦の+42に加算されます。また、仙台大が勝てば、第2試合で東北大が負けた場合に優勝が決まります。春の対戦では先行した岩手大に仙台大が追い上げ、20-12という結果でした。見所は岩手オフェンス対仙台ディフェンス、仙台のキッキングゲームを岩手がどう対処するか、仙台のオフェンスが復活するか、の3点と言えそうです。この試合も最後まで目の離せないものになりそうです。