ちょっと気が早いけれど、今の中学2年生から劇的に変更される2027年度(令和9年度)埼玉県公立高校入試について思うところを書いてみたい。 

 

全体像としては、これまで合格してきた生徒のほとんどは新制度でも合格すると思う。

ただ合格者の下位2割くらいは合否が入れ替わるのではないか。 

 

まず大きな変更は、「① 学力検査の得点」+「② 調査書の得点」+「③ 面接の得点」を、それぞれ、各高等学校で定めた取扱い(どの項目を何倍にするか)に基づき算出するとし、


その上で、

 

① 単なる知識の暗記ではなく、読解力、図表の分析、論理的思考などを求める記述式解答をやめ、問題の90%をマークシート方式へ。

 

② 通知表は、「評定の各学年別合計」(9教科×5 段階=45点満点)のみで、検定や部活動などの実績は加点しない。 

 

面接は受検者全員に行う。検定や部活動などの努力はそこでアピール。

 

という形になる。検定や部活が面接に回されるということは、ほとんど点にならないということだろう。

 

そこに加えて覚えておくべきことに、埼玉県独自の入試問題である「学校選択問題」というものがある。

 

これは英語と数学だけなのだが、より点差をつけるために作られた難度の高い問題を県が作成し、差し替えを希望する高校は、その問題を採用して構わないとしている。かなりの難度のため、実際に差し替えて使用している高校は22校しかない。

 

その難度の高さは、ある公立中学校の先生曰く、「定期テストで90点以下は取ったことがないという生徒でも、50点すら取れる保証がない。」というレベルで、実際に県内最高峰の浦和高校でも70点~80点未満が合格者の中央になっている。

 


 

さて、では埼玉県の最高峰の浦和高校、浦和第一女子高校、川越高校、川越女子高校は、「① 学力検査の得点」、「② 調査書の得点」及び「③ 面接の得点」をどのように配点したのだろうか。

 

※ 埼玉県は公立王国と言われていまして、大学進学実績に関していえば、公立高校が圧勝しています。

 

 

浦和高校(上段:今年まで 下段:来年から)

①定員の60%は、学力検査の得点 500 + 通知表 188 + その他の活動 146 = 合計 834点満点


②定員の40%は、学力検査の得点 500 + 通知表 121 + その他の活動 94 = 合計 715点満点

 

としていたのが、

 

①定員の60%は、学力検査の得点 600 + 通知表 180 + その他の活動 30 = 合計 810点満点


②定員の40%は、学力検査の得点 600 + 通知表 135 + その他の活動 30 = 合計 765点満点

 

となる。

 

ポイントは、公立中学校の勉強だけでは対応が難しい学校選択問題(英語と数学のみ、難度の高い問題)が1.5倍となることだろう。


定員の60%の方も、定員の40%の方も、どちらもかつてないほどまでに通知表の価値を引き下げている。「オール4でも、いや3が混じっていたって気にするな。浦和高校は実力のある生徒を求めている。」という熱いメッセージを感じさせる。

 

 

浦和第一女子(上段:今年まで 下段:来年から)

①定員の60%は、学力検査の得点 500 + 通知表 180 + その他の活動 155 = 合計 835点満点


②定員の40%は、学力検査の得点 500 + 通知表 115 + その他の活動 100 = 合計 715点満点

 

としていたのが、

 

①定員の80%は、学力検査の得点 500 + 通知表 135 + その他の活動 30 = 合計 665点満点


②定員の20%は、学力検査の得点 700 + 通知表 135 + その他の活動 30 = 合計 865点満点

 

となる。

 

ポイントは、通知表の価値が一段と下がったこと(これまで180 → 来年135)。そして、定員の20%は学校選択問題が2倍になる点だ。


これは浦和高校以上に凄い。通知表などまったく見ませんと言っているようなもので驚きを通り越して笑ってしまった。

 

 

川越高校(上段:今年まで 下段:来年から)

①定員の60%は、学力検査の得点 500 + 通知表 251 + その他の活動 84 = 合計 835点満点


②定員の40%は、学力検査の得点 500 + 通知表 161 + その他の活動 54 = 合計 715点満点

 

としていたのが、

 

①定員の70%は、学力検査の得点 500 + 通知表 214 + その他の活動 30 = 合計 744点満点


②定員の30%は、学力検査の得点 650 + 通知表 433 + その他の活動 30 = 合計 1113点満点

 

となる。

 

ポイントは定員の70%は通知表の価値を下げた(251 → 214)ものの、残りの30%はむしろ通知表の価値を上げたことだろう。学校選択問題の英語と数学、そして国語をそれぞれ1.5倍にしたものの、通知表は214から433と2倍近くにまで引き上げている。

 

 

川越女子高校(上段:今年まで 下段:来年から)

①定員の60%は、学力検査の得点 500 + 通知表 250 + その他の活動 84 = 合計 834点満点


②定員の40%は、学力検査の得点 500 + 通知表 161 + その他の活動 54 = 合計 715点満点

 

としていたのが、

 

①定員の60%は、学力検査の得点 800 + 通知表 360 + その他の活動 30 = 合計 1190点満点


②定員の40%は、学力検査の得点 800 + 通知表 180 + その他の活動 30 = 合計 1010点満点

 

となる。

 

これが一番の衝撃。まさかの学校選択問題が2倍かつ国語も2倍になる。浦和高校、浦和一女以上に「通知表なんてどうでもいいですよ」と言っているようなものだ。


その上、定員の40%はさらに通知表の価値を下げている。1010点満点のうち800点が当日点ということは、オール3どころか、オール2だとしても合格が可能になる。大丈夫なのか?中学校側に怒られたりしないのか?と不安になるくらいの極端な振り分け方だ。

 

 

この改革により、上位校に限って言えば、総じてよりいっそうの学力重視になったことになる。


塾としては、これまで以上に指導力が求められることになるし、その指導力は実績に如実に表れる。

 

指導力のある塾にとっては願ったり叶ったりだが、それがない塾はその指導力の無さがバレ、淘汰されていくだろう。

高校受験まで、残すところおよそ1ヶ月。  


私が持っている「今でこそ届くアドバイス」のリストの中から1つを。


県立高校受験や国立大学受験は有限の中でのバトル。人生において、こんな見えやすいバトルは他にない。


たとえば、サッカーでも野球でも、吹奏楽でも100点はないじゃない。ここに達すれば、未来永劫誰にも抜かれない境地なんてものはない、無限の世界での歩みだ。


これは学問の世界だって同じ。本来は100点なんてない。無限の世界が広がっていて、ゴールなんてない。よって完璧もない。


でも、県立高校受験とか国立大学受験ということに関して言えば、勉強は有限だ。


教科書の中からしか出ないのだから限りがある。限りがあるのだから、その中を完璧にする事は可能だ。


だからね、こういうイメージで捉えて欲しい。


オセロの盤上、すべてのマスに黒を敷き詰める。


黒は「わからないこと」としよう。

その黒を、「理解したら」白にひっくり返す。


一つ一つ白にひっくり返していけば、本人には見えなくても、残りはどんどん減っている。後は期日までにどれだけ白を増やせるかどうか、ただそれだけだ。


ある日、突然残りの数が見えてくる。そうしたらなぜか一気に楽しくなってくる。


「よし!間に合いそうだ。あと少し、あと少しで完璧になる!」


そして最後まで白にして、よっしゃー!!と思って盤上全体を眺めると、白にしたはずのところがいつの間にかいくつか黒に戻ってしまっている。


もう…と言いながらそれをまた白に戻す。


できる生徒というのは、こういう感じで進めている。


一方で、残念ながらやっていてもできない生徒というのは、せっかくがんばって白にひっくり返したのに、またすぐに黒に戻してしまう。


3つ白にひっくり返して、4つ目に取り掛かったら、前に白にしたものがどんどん黒になる。一向に白が増えていかない。


これはもう、とにかくもったいない。


人間の段階には4段階があって、上から


① やっている + できる

② やっている + できない

③ やっていない + できる

④ やっていない + できない


となる。


②はあと一歩で大化けする。ほんの少しの気づきでいい。


どうかこのイメージを大切にして、どうやったら白にしたものが黒に戻らないのかを考え抜いて欲しい。そして気づいて欲しい。大化けするヒントはそんな凄いことなんかじゃない。極めて簡単なこと、すでに知っていることの中にある。


最後の最後は、頭に汗をかいて自分で気づくしかないんだ。


言葉ではなく行動。


どのような行動をとる人なのか、どのような行動をとる組織なのか、そこに本音、本心、つまり姿勢が見えます。


言葉ではなんとでも言える、盛れる、飾れる、偽れる。


しかし、いくら言葉で飾ろうとも、姿勢は態度に表れ、行動となる。


そして行動だけが結果をつくる。


姿勢って大切だと思います。


言葉ではなく、これまでの行動、経歴、実績を見ましょう。


選挙、行きましょうね。