わたしたちの人生は、ありとあらゆるトレードオフから構成されている
資源が有限だからこそ、わたしたちは選択しなくてはならない。これを「トレードオフ」という。
トレードオフとは、資源の制約があるために、好ましい結果のすべては実現できないことだ(「あちら立てればこちらが立たない」)。
リンゴとミカンがいずれも100円で、財布に100円玉が1個しかないとしよう。このとき、100円という資源制約があることで、「リンゴとミカンを両方食べたい」という欲望を満たすことができない。すなわち、リンゴかミカンのいずれかを選択しなければならない。
この単純な例からわかるように、選択というのは有限な資源(この場合は100円)を適切に配分し、(リンゴかミカンを選んで)トレードオフを解消することだ。
引用終わり
トレードオフは、有限な資源の配分において発生するものですから、他の使用例としては、
・育児とキャリア
・勉強と遊び
・消費と貯蓄
・高品質と低価格
というようなものがあります。
で、私立高校のお話。
いただいている学費から捻出できる予算、そして年間の授業時間。これをどこにどれだけ配分するか、これが私立の特色になります。これは塾も一緒ですね。
それが生徒のためになるのならば、なんでもしてあげたい。
それは当然です。どの学校もそうでしょう。でも、なんでもできるはずはない。なぜならトレードオフの関係になるからです。
ですから、「うちはここに時間とお金をかけている」とはっきり打ち出している高校の方が信頼がおけます。
「なんでもします」という言葉は、たいしたことができていないという本音の裏返しであるケースが多いですから。
こういう生徒を、こういうように育てます。そうするとこういう風に育って巣立っていきます。というように、入学時の生徒の状態(マジョリティ) ⇒ そのターゲットとしている生徒のための教育方針とシステム ⇒ 卒業時の生徒の状態(マジョリティ) がはっきりしている高校はやっぱり安心できます。
塾も同じです。
私が担当している科目は英語ですが、めちゃくちゃざっくり分ければ、会話重視、検定重視、定期テスト重視、入試重視でしょうか。
検定重視は会話重視と親和性が高いような気がします(私の主観です)。
そして定期テスト重視と入試重視は、保護者や生徒から見て同じように見えるかもしれませんが、実はかなり指導の方向性が異なります。
それは、定期テスト(内申)は取れるけれど、偏差値が取れないというパターンが多く存在していることで明らかではないでしょうか。
今、やっていることだけをテストされる。⇒ 定期テスト
過去にやったことすべてをテストされる。⇒ 模試や入試
優秀な子であれば、今の知識を教えているだけでも、それが過去の知識に積まれていき、自ずと知識が高くそびえ立っていくことでしょう。
しかし、実際そのような生徒はほんの一握り。多くはそうなりません。
過去にも時間を割くならば、今にかける時間は減ります。これもまたトレードオフなのです。
その塾がどこに力を注いでいて、その理由はどこにあって、結果として多くがどのように育って巣立っていっているのか。
高校と同様に、ここがしっかりしている塾はいい塾だと思います。