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上司のための、「人が成長する」マネジメント法

部下を一人でも持っている方。
自ら考えて行動できる部下の育て方を学んでみませんか?
組織をつくる、人を育てるマネジメントの方法を、
企業向けにアドバイス、コンサルティングしている専門家のショートエッセンスをお届けします。

新年度に伴い、新人研修が行われていると思う。


ここで1つ、ぜひ注意してほしい。


今の若い世代は上下関係に慣れていない人が多い。


体育会系の部活ですら、今は上下関係がゆるくなっているという。


だから、ちょっと厳しく言っただけで、

「上から目線だ」と拒否反応を示すことが多々起こる。


とはいえ、部下に媚を売ればいいわけではない。


実際に、上司と部下の関係は対等ではないため

友達同士のような関係になる必要もない。


また、垣根を低くし過ぎると緊張感がなくなり、

部下はいつまでたっても同じミスを繰り返したりする。


難しく考えず、部下を指導する際は、

威圧的な態度も必要なく、経験豊かな先輩として接すればいい。


ここで大事なのは、部下が「上から目線だ」と

感じる理由であり、上司の伝え方の問題だと思う。


ただ単に「これをやっておいて」と言われたら、

誰でも「上から言われている」と感じるだろう。


「その作業をなぜやってほしいのか」

「その仕事がどういう意味を持つのか」

ということを明確に伝えることが大事になる。

春本番、新年度のスタートに1つ。


必要にせまられれば何でもできる、とよく言う。


できない、と思っていたようなことでも、

やることによるメリットや、やらないことによる

デメリットが大きければ、人間は行動できる。


近年、欧米人が多く訪れるようになった長野の

とあるスキー場では、高齢者の方でも英語を話す人が多い。


カタコトかもしれないが、話せなくては

飲食店やお土産店の従業員が務まらないから。


また、少しでも英語を話して

コミュニケーションを取れれば、売上につながる。


恥ずかしがって何もしなければ、お客さんは離れていく。


こうしたメリット・デメリットがはっきりしているから、

理屈よりも先に英語を発するようになる。


そこに英語の勉強を始めるための決意や準備などは必要ない。


一方、漠然とした理由で勉強に取り組もうとしても、

なかなかスタートが切れない。


きっと、それを行うメリットを

心底から感じられないでいるからではないか。


大事なのは、自分の本心に耳を傾けること。


何かを始める前に、何が強い動機になりうるのか、

自分と相談してほしい。

スポーツ選手のコーチの話を紹介したい。


選手の勝利のカギを握るのは、正しい習慣を作ること。


アスリートが持つべき体つきも執念も、

レベルが高ければ高いほど、さほど差はなくなる。


そこで教えたのは、精神的に強い選手になるための習慣。


生活すべてをコントロールする必要はなく、

いくつかの習慣にターゲットを絞り、

試合に勝てる心理状態を作り上げていくこと。


その1つとして、試合前に落ち着いて

集中力を高めるため、事前にできる行動をコーチは考案する。


毎日の練習後、家に帰ったら「ビデオを見ろ」と伝えた。


このビデオは架空のビデオで、

頭の中でパーフェクトな試合展開を思い描く。


それを毎日、寝る前そして朝起きた時、

非のうちどころのない姿を想像させる。


ベッドで目を閉じたまま

細部まで思い浮かべ、1つの試合を競う。


それをコーチは練習中に、

タイミングをみて「ビデオをかけろ」と叫ぶ。


すると選手は全力で頑張る。


その声かけを試合中にも使い、勝てる選手を育て上げた。


現状に必要な習慣は何か、

まず望むイメージの習慣化から始めるのも大事。

毎日の行動の40%以上がその場の決定ではなく

習慣によるもの、という研究データがある。


習慣を変化させたいとき、きっかけと

報酬次第で、新しい習慣へと変えることはできる。


しかし、それだけでは十分ではない。


習慣を身につけるポイントは「変われる」と信じるかどうか。


それにはグループのサポートが大事になる。


仮にたばこをやめたい場合、たばこで満たしていた

欲求を満足させてくれる、まず別の習慣を見つける。


その後、支援グループや元喫煙者の集まりか、

ニコチンから距離を置くのを信じ助けてくれるコミュニティを探し、

挫折しそうなときはそのグループを活用する。


その事実は研究からも明白で、

習慣を変えたければ代替となる習慣を見つける。


そしてグループの1人として変わることに

専念すれば、成功率は劇的に上がっていく。


酒もたばこも、仕事中の間食も、子どもを怒鳴るのも、

夜更かしも、些細なことで悩むのもやめることは難しくない。


誰でも習慣のコントロールは可能で、大事なのは信じること。

日常の一部分のよくない習慣を変えたい、

と相談を受けることがある。


例えば、仕事中の間食をやめたいとしよう。


求めている報酬は、空腹を満たすことだろうか。


それとも退屈をまぎらわせることか。


ちょっとした気分転換のためだとしたら、

別の習慣を見つけるのは簡単。


少し歩いたり、3分間だけインターネットをしたりすれば、

体重を増やすことなく同じように気晴らしができる。


たばこをやめたいのなら、まず自分に問いかけてみる。


たばこを吸う理由はニコチンを愛しているからか、

それとも一気に刺激を与えてくれるからなのか。


生活の一部になっているからか、社交術の1つなのか、など。


もし刺激が必要でたばこを吸うのなら、

午後に何らかのカフェインを摂取すれば

禁煙の成功率が高まることが研究でわかっている。


たばこに結びついた自分のきっかけと報酬を見極め、

似たような効果を与えてくれる新しい習慣を選べば、禁煙しやすい

という結果が、元喫煙者に対する研究で判明している


きっかけと報酬がわかれば習慣を変えることは可能。