角松敏生さんのライヴ「TOSHIKI KADOMATSU Live performance 2025 “お前らと俺”」へ行ってきました。
場所は広島市のNTTクレドホール。
ここで角松氏のライヴに参戦するのは二回目。約8年ぶりです。
所用が立て込み、泣く泣く(ニューアルバムを引っ提げての)初夏のツアー参戦(福岡)を見合わせた私でしたが、今回は久々の広島公演という事で迷わずエントリー。
4列目の右サイドの席をゲット出来ました。
今回のツアーは4月発売のアルバム「Forgotten Shores」の曲は1曲もやらないようですが、来年の横アリでの45周年記念ライヴに向けて、意味のあるツアーだと思っていました。
しかし、それより何より<広島飛ばし>されなかった事が嬉しかったので、どうしても参戦しておきたかったのです。
約3年ぶりの広島公演は<SOLD OUT>
盛り上がらない筈はありません。
午後5時開演。
最初にバンドメンバーが登場するかと思いきや、角松氏が一人で登壇。
そして…
ここから彼の"音楽プチ講座"が始まりました(笑)
45年間、音楽を生業にしてきた中で感じた音楽業界の変化と、リスナーやニーズの変化について。
そして、その変化は、職人のように音楽とじっくり向き合いながら制作してきた側からすれば、望ましい変化ではないのだけど、ある程度は仕方ない…としながらも、現在の音楽というもの、音というものはこうやって作られているんだよ、という大変貴重な講義をしていただきました。
最近の若者はCDプレイヤーすら持たない人が多いそうですね。
だからCDを見せると「スゲー!初めて見た!」となるようで…。
音楽もスマホでいつでもどこでも手軽に聴くリスナーが増えてきた中、角松ファンはいまだにCDを買い、音楽を聴く場(環境)にある程度こだわって聴いてくれる人が多いそうです。
それゆえに、CDを制作してリリースする意味はまだあるのだ、と話しておられました。
たしかに最近は配信限定曲が増えており、配信曲ダウンロードをしない私からすると、この曲はいつCD発売するんだろー?と思う事もしばしばですが、いつの間にかそちらの方が少数派となってしまったようです。
まぁ、人は人。私はGOING MY WAYなので、人と違う事は気にしませんが。
せめて好きなミュージシャンには毎回CD媒体を発売してほしいとは思いますね。
マルチトラックについての解説は興味深かったです。
2013年頃、私は、角松さんがライヴハウスツアー行った“青木智仁氏7周忌ライヴ”で、亡き青木智仁さんのベースの重低音をライヴで体感し、その素晴らしさは理解していたつもりでした。
しかし、2006年の青木智仁氏(ベース)急逝の後
2007年 浅野“ブッチャー“祥之氏(ギター)
2020年 小林信吾氏(ピアノ)
2021年 数原晋氏(トランペット)
2021年 村上“ポンタ”秀一氏(ドラム)
長年、角松氏を支えてきた凄腕のミュージシャンたちが亡くなり、そのアーカイブを遺しておく事は本当に大切なのだと、改めて痛感しました。
今回のツアーは
角松敏生(ボーカル、ギター、コンピュータープログラミング)
鈴木英俊(ギター)
山内薫(ベース)
中川就登(ピアノ、キーボード)
この4名の生音をベースに、それ以外の音はマルチトラックに録音された演奏が加わります。
つまり、今は亡きあのプレイヤーの演奏も聴けるという事なのです。
大変貴重なライヴになりそうです。
ちなみに、ツアータイトルの“お前らと俺”の“お前ら”とは、ライヴの演者である角松氏のサポートメンバー(HDDに録音された音源含む)を指しており、「決してファンの事ではないので誤解しないよーに!」と説明がありました。
なるほど!!
ファンが“お前ら“ではなかったようで、少し安心しました(笑)
長丁場の音楽講座が終わり、メンバー3名が揃ってご登壇。
いよいよライヴ開始です。
1曲目は去年発売のアルバム「MAGIC HOUR」のオープニングナンバー「Lovers at Dusk」
ステージ上は4名ですが、コーラスも含めてアーカイブされた音と生演奏との融合はなかなか重厚感があり、目を閉じて聴いていたら録音された音かどうかはわかりません。
4曲目の「I can’t ever change your love for me」は良かった。
杏里に提供した曲のセルフカバーですが、角松バージョンも心に沁みます。
最高のバラードです。
亡き数原晋さんのトランペットの音色が心の奥底まで響きわたりました。
6曲目の「夜の蝉」はこの時期に聴くと、感動が何倍にも増しますね。
先日、日没後にうちの周りでも蝉の鳴き声が聞こえたので、「限りある命(時間)の中、必死にメスを呼んでいたのだろうけど、無事に見つかっただろうか…」と少し感傷的な気分になりました。
VIDEO 動物や昆虫はシンプルです。種を遺すという本能を忘れずに生きています。
人間は…我欲のために、それすら放棄しようとしています。そして、意味もなく同種を殺そうとする輩もいます。それはもはや自由ではありません。神様のバチが当たらなければ良いですが…。
この「夜の蝉」は「みんなのうた」で、毎年夏の終わり頃に紹介しても良さそうな曲ですが、NHKのクオリティでは…まぁ、見つけられないでしょう。
7曲目の「IZUMO」は素晴らしかった。
力強さと神々しさが相まって、まさに神曲!
アルバム「INCARNATIO」を全曲PLAYするライヴをやってくれたら絶対に行きます。
この日のツアーで最も感動したのが9曲目の「Still I’m in love with you」
アーカイブされた故村上ポンタ秀一氏のドラムも感動的でしたが、1981年バージョンのテンポで披露されたこの曲は本当に名曲中の名曲!
角松ファンになって約40年ですが、この間の色々な事が思い出されて、涙が溢れました。
(この日演奏しなかった)「RAMP IN」は毎回泣いてしまうのですが、この「Still I’m in love with you」の原曲バージョンも本当に良かったです。
VIDEO 角松氏の原点といえる曲。
これからも歌い続けていってほしいです。
11曲目の「Hold on to love~Nothing I can do for love」はライヴで聴いたのは初めてですが、こちらも素晴らしかった。
亡きリッチー・ヘイワードのドラムはエモーショナルで、グルーブ感に溢れ、溜息が出るほどの名演でした。
シングルカットするような曲ではないのだけど、角松さんらしくない?アメリカンロックの匂いがプンプンしていて、私は好きです。
12曲目の「痴漢電車」はあまり演奏しない曲なので、とても新鮮でした。
歌詞が刺さりますね。
2000年8月発売のアルバム「存在の証明」は、現代に一石を投じるようなメッセージソングが多く収録されているのですが、この「痴漢電車」は特に象徴的です。
個人主義が蔓延り、無関心な人間が増え、痴漢と間違われた男に誰も手を差し伸べない。みんな見て見ぬふりをしている。
そして、明日はあなたが同じ目に遭うかもしれない…。
11曲目の「Hold on to love~Nothing I can do for love」もアルバム「存在の証明」収録曲でした。
実は発売当時、このアルバムは苦手だったのですが、今聴くと、不思議とすんなり入ってくるんですよ。
角松氏の魅力は、聴けば聴くほど味が出る、そして年齢を重ねてから聴けば、更にその感覚が増してくるところにあるのかもしれません。
15曲目の「AFTER 5 CLASH」、この曲は2012年発売のアルバム「REBIRTH 1」バージョンでした。
この頃は時間にゆとりがあったせいか、同じツアーでも複数会場ライヴに行く事が多く、この「AFTER 5 CRASH」もライヴ会場でよく聞きました。
この「REBIRTH 1」のライヴでは、“バホイー”という日本人男性と<SUPERイケイケ姉さん>(私の個人的な印象)だった小島恵理さんの二人がコーラス隊として参加していて、ライヴを盛り上げてくれていた姿を思い出します。
その小島恵理さんも亡くなられて今年でちょうど10年。早いものですね。。。
角松氏が毎回のように「みなさん、どうかお元気で」と言うのは、前述したサポートメンバーのみならず、音楽を通して親交を深められた方の死にたくさん直面してきたからなのでしょう。
人生は「一期一会」
出会う人と、出会う時に、出会うべくして、出会うのだと思っています。
滅多に会えない方、普段の生活で頻繁に出会う方、家族のように毎日のように顔を合わせられる方も、基本は「一期一会」
そう考えると、すべてが愛おしく思えてきます。
何気なく過ごしているけど、実は毎日とてもスペシャルな時間を過ごしているんだ、と実感します。
16曲目の「Prayer」も盛り上がりました。
私はツアーグッズをあまり買わないので知りませんでしたが、みなさんキラキラ光るものを腕に付けられていて、サビの部分で手を振ると、光がゆらゆら揺れてとても綺麗でした。
このグッズは来年の45周年ツアーに向けて、違う色を追加販売するそうです。
買うべきか、買わざるべきか…。
アンコールは二回。
恒例の紙飛行機を飛ばす“あの曲”はなかったですが、
久しぶりに聴いた「No End Summer」は心に沁み渡りました。
VIDEO 私が角松ファンになるきっかけとなった曲。
でも、この曲を聴く時はライヴが終わり間近という事なので、心地いい反面、名残惜しい気持ちになります。
今回は最初に“音楽プチ講座”があったせいか、ライヴは3時間の長丁場となりました。
とても楽しいひとときでした。
今年の8月に65歳になられた角松さん。
娘さんが成人される70歳で本当に(音楽活動を)辞めてしまいそうなので、あと5年間、タイミングが合ったライヴは出来るだけ参戦するようにしようと思います。
このライヴに関わったすべての人たちに感謝!!
素晴らしいライヴをありがとうございました。
〇セットリスト
01 Lovers at Dusk
02 SUMMER BABE
03 飴色の街
04 I can’t ever change your love for me
05 Lady In The Night
06 夜の蝉
07 IZUMO
08 SEA LINE
09 Still I’m in love with you
10 YOKOHAMA Twilight Time
11 Hold on to love~Nothing I can do for love
12 痴漢電車
13 Wrist Cutter
14 How is it?
15 AFTER 5 CLASH
16 Prayer
アンコール
17 浜辺の歌
18 No End Summer
アンコール
19 君にあげる