まったり読書記録

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中2が備忘録で書いている読書ブログです。
本の感想や紹介がメイン☆

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今日の読書記録は、宮部みゆきさんの『小暮写眞館 Ⅱ』です。

読むとほっこりした気分になれるミステリーです。


〈あらすじ〉

高校の先輩に呼び出された花菱英一は、当事者に話を聞くことなく、三年前に撮影された写真の謎を解明するよう言い渡される。困惑する英一だったが、親友の店子力や同級生の寺内千春の助力を得て、当時の出来事を調べ始める。唐突に破棄された婚約。父親の病死。涙を流す家族。一枚の写真に隠された物語とは?現代を生きる人の温もりと優しさを描き出す、宮部ミステリーの真骨頂。 


新潮文庫nex版で四分冊の「小暮写眞館」。その第二巻は、一巻で登場した人物たちと写真の謎を描く青春ミステリーとなっているようです。

花菱家や他の登場人物の過去が明かされます。


この作品のサブタイトルは、「世界の縁側」。

家ではないけれど、家のすぐそばにある縁側のように、家族と親しく関わる人々の立場が描かれています。

家と縁側のような人々の謎を解き明かしていく様子を楽しめました。


今回はホラーな雰囲気もほぼなく、ほのぼのとしていて、登場人物ひとりひとりに感想を持ちながら読んでしまいました。


生き生きとした登場人物に会いたい時におすすめです。



今日の読書記録は、宮部みゆきさんの『小暮写眞館 I』です。

所々不気味で、でも、ほっこりとした心温まる青春小説です。


〈あらすじ〉

あなたの写真(ひみつ)、解き明かします。

築三十三年、木造二階建て。小暮写眞館は、臨死状態の商店街にひっそりと佇んでいた。都立三雲高校に通う花菱英一は、両親の趣味により、この「写真館」に住むことになる。そして、弟をふくめた家族四人での暮らしが始まった矢先、ひとりの女子高生が持ち込んだ不思議な写真を巡る謎に、英一は関わることになり……。


新潮文庫nex版で四分冊の「小暮写眞館」。その第一巻は、花菱家が移住した様子やいきさつと周りの人間関係に紙幅が費やされているようです。


小説にしては軽め、でもライトノベルにしては堅めの文体で語られる重厚な物語です。

個性豊かな登場人物の楽しい会話、複雑な構成、そして時折ゾクっとする心霊写真の謎。

1冊でひとつの物語として成立しているのですが、次巻を読みたくなるような仕掛けがいくつもあります。


始終ほのぼのとしているので、疲れている時に読む本としておすすめです。




今日の読書記録は、モーリス・ルブランの『ルパンの名探偵』です。

謎の名探偵の活躍を鮮やかに描く連作短編集です。

 

〈あらすじ〉

どんなにむずかしい事件の調査も無料でひきうける、バーネット探偵社。その腕まえは天下一品でベテラン刑事ベシューもお手あげの難題をみごとに解決していく。いっぽうで、名探偵はもうひとつの活動を広げている。

「無料探偵」のはずが、いつのまにか彼のふところにたっぷりの報酬が。謎の私立探偵、ジム・バーネットの正体はだれだ。

 

本の題名を見れば、ジム・バーネットの正体はわかるかもしれませんが…。

作品中ではバーネットがルパンだと明記しているところはありません。

 

『調査無料』と謳っているものは、たくさんあります。

なぜ、無料なのに成り立っているのか。

…不正や秘密を報酬に換える、ルパンの新しい『盗み方』が盛りだくさんです。

 

読み終えた時、『無料』という言葉に少し身構えるようになりました。物事には裏があるということを身をもって体験(?)できる作品です。

べシュー刑事とバーネットのコミカルなやりとりが盛り沢山で、ルパンの作品では異色です。が、コントを見るような気持ちでサクッと読めてしまうので違和感はなかったです!

 

どの事件もひとひねり効いていて、短編としての完成度が高いのもおすすめの理由です。

 


今日の読書記録は、はやみねかおるさんの『都会のトム&ソーヤ』です。


中学生コンビが都会で繰り広げる冒険小説です。

 

〈あらすじ〉

塾帰りの内人はある晩、路地裏で創也を見かけたが、通りを曲がったとたん、姿が消えた。それがすべての始まりで、創也の夢である究極のゲーム作りを、いっしょに追いかけることになる。伝説的ゲーム『ルージュ・レーブ』を作ったとされる栗井栄太の痕跡を探す中で、下水道でのメッセージ、クイズ番組で連勝する怪しい出演者との闘い……に巻き込まれる。クールで何でもできると思われた創也の猪突猛進ぶりが明らかになり、内人のサバイバル力が輝きだす!

 

街中で、近くを歩いていた友人があっという間に見えなくなったら「おや?」とは思いますが、それだけです。

ですが、この物語では、そんなちょっとした謎を解き明かすべく中学生が冒険をはじめます!

 

物語の主人公は、自称:平凡な中学生の内藤内人(ないとうないと)と、天才肌の御曹司:竜王創也。噛み合わない会話を交わし、仲が良いのかよくわからない凸凹コンビです。

 

語り手の内人は1人ノリツッコミが多く、軽快な文体なので嫌な感じもなく楽しいです。

サバイバル技術満載の中学生、猪突猛進な御曹司、超人的なボディーガードなど、実際にはありえない設定が多いのですが、そんな登場人物たちが実際にどこかにいるような気がしてしまうのが不思議です。

 

冒険がどれもスリリングなものばかりなのですが、スピードとテンポがよく、サバイバル術・雑学などもたくさん盛り込まれているので、楽しく、あっという間に読めました。

 

ジュブナイルな本ですが、誰が読んでも楽しめる内容なのでおすすめです!


 

 

 今日の読書記録は、ダニエル・フリードマンの『もう年はとれない』です。


87の『元凄腕刑事』が主人公のハードボイルドです。


〈あらすじ〉

思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに親切とはいえなかったナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作! 


ストーリーが把握しやすく、登場人物の数が少なく、プロットと謎が魅力的で読み進めてしまう一冊です。


この本での会話のほとんどが、口が悪くて皮肉がかっているのですが、漫才やコントのようで楽しめました。

翻訳に違和感が全くないのも、その理由のひとつだと思います。


Googleの検索ができず、認知症を発症しているのではないかと自分で自分を心配して、体もいうことを聞かない。どこでもタバコを吸うし、わがままで、自由奔放。だけど、357マグナムと強烈な皮肉と怖いもの知らずの精神を持つ87歳の元刑事。

実際にいたら迷惑そうなお年寄りなのですが、キャラクターとしてなら、とても魅力的ではないでしょうか。


そんな彼を支えるのが、孫のテキーラ。主人公にたびたび反発し、意見が食い違ったり、口が悪かったりするのですが、それでも助け合っていく絶妙さが素敵です。


ありきたりなハードボイルドに飽きた時、おすすめの作品です。