今日の読書記録は、モーリス・ルブランの『ルパンの名探偵』です。
謎の名探偵の活躍を鮮やかに描く連作短編集です。
〈あらすじ〉
どんなにむずかしい事件の調査も無料でひきうける、バーネット探偵社。その腕まえは天下一品でベテラン刑事ベシューもお手あげの難題をみごとに解決していく。いっぽうで、名探偵はもうひとつの活動を広げている。
「無料探偵」のはずが、いつのまにか彼のふところにたっぷりの報酬が…。謎の私立探偵、ジム・バーネットの正体はだれだ。
本の題名を見れば、ジム・バーネットの正体はわかるかもしれませんが…。
作品中ではバーネットがルパンだと明記しているところはありません。
『調査無料』と謳っているものは、たくさんあります。
なぜ、無料なのに成り立っているのか。
…不正や秘密を報酬に換える、ルパンの新しい『盗み方』が盛りだくさんです。
読み終えた時、『無料』という言葉に少し身構えるようになりました。物事には裏があるということを身をもって体験(?)できる作品です。
べシュー刑事とバーネットのコミカルなやりとりが盛り沢山で、ルパンの作品では異色です。が、コントを見るような気持ちでサクッと読めてしまうので違和感はなかったです!
どの事件もひとひねり効いていて、短編としての完成度が高いのもおすすめの理由です。