今日の読書記録は、宮部みゆきさんの『小暮写眞館 I』です。
所々不気味で、でも、ほっこりとした心温まる青春小説です。
〈あらすじ〉
あなたの写真(ひみつ)、解き明かします。
築三十三年、木造二階建て。小暮写眞館は、臨死状態の商店街にひっそりと佇んでいた。都立三雲高校に通う花菱英一は、両親の趣味により、この「写真館」に住むことになる。そして、弟をふくめた家族四人での暮らしが始まった矢先、ひとりの女子高生が持ち込んだ不思議な写真を巡る謎に、英一は関わることになり……。
新潮文庫nex版で四分冊の「小暮写眞館」。その第一巻は、花菱家が移住した様子やいきさつと周りの人間関係に紙幅が費やされているようです。
小説にしては軽め、でもライトノベルにしては堅めの文体で語られる重厚な物語です。
個性豊かな登場人物の楽しい会話、複雑な構成、そして時折ゾクっとする心霊写真の謎。
1冊でひとつの物語として成立しているのですが、次巻を読みたくなるような仕掛けがいくつもあります。
始終ほのぼのとしているので、疲れている時に読む本としておすすめです。