単調になりがちなリズムにインディー・ロックの楽曲性を組み込んでチルなものにイルな部分も作り出す。生楽器のノイズや不安定さ(デジタルと比べてという意味で)を丁寧に、計算し尽したリズムで反映させることでBords Of Canada風なダウンテンポとロックのビートが同居する。Bords Of Canadaを聴き込むと飽きてしまった人でもBLUE STATESは飽きないと思います。
Gang of FourとかDelta5の流れを汲むポスト・パンク世代の中では影の薄いMekonsの3年ぶりのアルバム。泥酔しながら出鱈目フォーク風に暴れていた30年前とはさすがに変わりました。でもサラ・コリーナもスージー・ハニーマンも健在っていうのは嬉しい。懐かしいけれど、今もある感じというか、ああ自分が好きなバンドと自分はまだ繋がっているという嬉しさ。
A Place To Bury Strangersのデビュー・フルアルバム。NYで最もヴォリュームを下げて聴きたいバンドと言われているんですよ、とか紹介されたのだけどこれはむしろフル・ヴォリュームで聴きたいサウンド。何だノイズかよ、って違うんですよ。デカいフィードバック・ギターで轟音出して、「見ろ!俺の音が1番歪んでる!」的な、90年代初頭のRideとかSwervedriverとかが、がっちり正面向いてロックをやっている雰囲気。格好良い。
そう、インディーとか轟音ってこれだった。少なくとも僕にとっては。直球でJesus & Mary Chainな音を、30過ぎたおっさんたちとかではなく、NYの若者が演っている。イギリス人にはきっと恥ずかしくてできない。皆シューゲイズになってしまうだろう。ビリー・コーガンとアラン・モウルダーとリード兄弟がニヤニヤして見える。ちょっとは痩せろよお前ら。それはともかく、やっぱりアメリカって凄い所だと思いました。
以前も紹介したArchitecture In Helsinkiの4thアルバム。何かが惜しいエレ・ポップ・バンドから完全に脱却した、6ピース・バンドとしての面白く素晴らしい1枚。バンドとして完全に機能しているというか、各人が役割を理解しているというか、ともかくスタンドプレーが物凄く上手く調和している。オーストラリアのセンスってダサいのか面白いのか分からんw。
さて、1stの頃と比べてさほど変わっていないようでもあるのだけれど、でも何と言うかセンスがグッと良くなっている。もっと言うと、良い意味での癖ができている。冒頭の"Lil’ King Kong"なんか、響き渡るファルセット・ヴォーカルと小気味良くテンポ外してくるバンジョーとハーモニカを使いこなしてるあたり、まるで『Looser』の時のBECK。そこに60~70年代の英国ポップの感覚が上手く潜り込んでいる。実験的ポップの良心。この子、これでもアイリッシュなんですよ。