ここで紹介する患者さんは、実は、1つ前のブログ記事と同じ患者さんです。
もともとこの患者さんは他院に通っていましたが、ある日私のクリニックを訪れました。
その理由は、
「他院で治療中の根管治療中の歯が痛い!何度か治療するも、なかなかその痛みがなかなか止まない!!」
だから、どこか別の歯医者を探してみると、たまたま私のこのブログを見つけたんだそうな。
そこの歯医者で大きな虫歯を発見されて、それまで全く痛みをはなかったんだけど、その虫歯の治療をしたその晩から、痛みを感じるように。
痛いものだから次の日も同じ歯医者に行くと、それなら根管治療をしなきゃならないということで、根管治療がスタート。
するとその晩から、痛みは取れるどころか逆に、痛みは増してしまったそうな・・・
そりゃ、辛いよね・・・。
で、うちに来た時のレントゲンがこちら
確かに・・・、根管治療がすでに開始されてるわね。
でも、なんで痛いの???
それは、根管の中の神経がきっちり取りきれていないからよ。
不可逆性の歯髄炎を起こしたまんまの神経がちゃんと取りきれてないものだから、そりゃ痛くて当然よね〜
というわけで、うちできちんと根管治療を開始ー
こちらは、根管の入り口の様子ね
そして私は必ず事前に、根管の形態をCTで確認するよ。
すると・・・、これらCT画像を見ると、何とも言えない難しそうな複雑な形態をした根管であることが一目瞭然よね。
ほら
なんかね〜、あっちゃこっちゃに曲がりくねってるんだけど・・・?!
こんな感じで、事前に根管治療の難しさを知っておくことは、とっても重要ですよ。
それを踏まえた上で、根管治療により慎重に臨めますからね。
実は、難しそうな根管治療ほど、やる気がメラメラと湧いてくる私?!
でも、やっぱやってる最中はそれはそれは大変だったわよ〜。
集中力と根気の集大成!・・・とでも言えばよいかしら?
トータルタイム何時間もかかった末に、やり終えた根管治療。
そこから1年と半年が経過した時点でのレントゲン写真がこちら
まずまずじゃない〜?
患者さん自身、自覚症状も全く何もないし、治療後は順調に経過してると言っていいんじゃないかしら?
ま、今後も2−3年毎の間隔で経過のレントゲン写真は見ていければいいな、とは思っているけどね。
この患者さんの場合は、この根管治療を皮切りに、1つ前のブログでも紹介した通り、他にもいくつかの進行した虫歯の治療を行いました。
それらの虫歯はどれも、神経スレスレのところまで大きく進行したものだったのですが、慎重に適切な治療を行えば、治療後の歯髄炎を惹起することなく歯髄は温存できます。
もしかすると、他院で根管治療をする羽目になってしまったこの歯も、私が虫歯治療をしていれば、根管治療なんかせずに神経は温存できたかもしれません。
また一方で、この患者さんがもし、痛みの取れない他院での根管治療をそのまま他院で続けていれば、難易度の高い根管治療だから、とんでもない根管治療結果となり予後はよくなかったかもしれません。
それらを考えると、途中で私のところへの転院を決断したこの患者さんの歯の将来の運命は、きっと私が治療することで好転してくれたに違いないな〜と思っています。
患者さんにとっては、歯医者の治療の実際って全くわからないでしょう?
何がよい治療で、何が悪いのか?そして、どんなことされたらヤバいのか?・・・など。
でも、わからないからこそ、私はこうして、自分の治療を自分のブログで紹介していった方が、患者さんのためにもクリアになって良いんだろうなと思います。
なぜなら、ここで紹介するのはそもそも、私自身の治療には偽りがなく、そして治療には自信を持ってるからこその証
つまり、治療に偽りがあったり自信がないと、そもそも表向きに紹介すらできませんからね〜