上の奥歯と奥歯の間(6番と7番の間)に大きな虫歯
を作ってしまう患者さんが、最近多いです。
しかも、そのほとんどが、
自分自身では虫歯の存在に全く気付かず、
私がチェックアップの際に発見して指摘したという具合。
↓こちらのレントゲンに写っているのも、
上の6番の遠心(後ろ側)に出来てしまっていた、かなり大きい虫歯の治療後の様子。
黄色⇧が指す、かなり白い部分は、
虫歯で歯がなくなり、
代わりに、神経を保護する為の歯にやさしいセメント(裏層材)が付けられています。
そして、緑色⇧の部分から、インレーという詰め物が入っています。
↓お口の中の様子はこんな感じ。
上の歯であまり見えないところですが、
もとあった歯の様に、美しくキレイに、
歯を再現することも大切ですね。
そして、インレー(詰め物)と歯の境界が、
ピッタリと精密に合っている、適合の良いインレー
であることも、更にもっともっと大切よね。
ところでここで書きますが、
実は、この歯のこの治療は、
以前⇊この記事で書いた患者さんの歯のものです。。。
そう、この治療は、
この患者さんが私のところに来る1週間前に、日本の歯科医院で行ったという、
虫歯治療からのから、リカバリーバージョンなんです。
詳しくは、その記事を読んでね。
とにかく、その治療がずさんでずさんで、
これはどうしたものか・・・!?と余りにもビックリするレベルだったので、
怒りに任せて記事を書いたのでした。
ここでは、そのリカバリー治療の実際の写真も交えてご紹介します。
↓これが、私のところに来た時の状態。
「数日前に新しく入れてもらったジルコニアインレーが、その翌日にポロリと取れてしまいました。」
というインレーをそのままパコって入れてみたところ。
案外見かけはそのまま使えそう?な感じだったのですが・・・、
これがね、↓レントゲンを撮影するともう酷い状態だったのよ。。。
これがもう適合悪すぎ!!
特に歯茎の際といった奥深い部分が。
しかもその部分こそが、適合の良し悪しが一番重要となってくるところなのに・・・。
本当は、黄色⇧の部分までインレーの縁端(赤色⇧)がこなきゃならないんだけれど、
こんなにも大きなズレ(ギャップ)があります。
しかも、緑色⇧部分は、取り残された虫歯なんですよ・・・。
どう?散々な有様でしょう??
これはいかん!ということで、早速治療開始。
すると、歯の内部からは、あれよあれよと軟象(虫歯)が出てくるわ出てくるわ・・・!?
すごく神経に近い部分まで虫歯に侵されている事がすでにわかっていたので、
削っている時、もう本当に気が気じゃなかった・・・。
だって、神経は絶対に傷つけたくなかったから。
↓無事、ほとんどの軟象は取ったけれど・・・、
神経がもう透けていますよ・・・という非常に恐ろしいレベルになりました。
でも、何が何でも、
絶対に神経は抜いてはいけません!!
まずは、温存を試みるべきです!!!
というわけで、
特殊な神経を保護するためのセメントを際どい部分に付けて、
歯髄炎になったり虫歯が再発しないように最大限試みました。
そして幸いにも、こんなにも神経スレスレの際どい虫歯治療でしたが、
この患者さんはこの後、歯髄炎を発症する事なく、神経のVitality Testもその後正常のままでしたので、
お終いに、適合の非常によいインレーをセットして、治療終了致しました~!
それが、冒頭に出ている写真ですね。
では、もう一度それらを、
初めにされたずさんな治療と比較しながら載せておきます。
↓口腔内。
とそして、
↓レントゲン。
こうした繊細な治療するのは、結構至難の業なのよ~!
特にこの歯は奥だし見えにくいし狭い部分だからね。
削るのも非常に大変なのです。
だから、この歯1本治療するのにも実は結構時間を要します。
患者さんだってその分、治療中ずっと大きく口開けてなければならず、結構大変なはずなのにね・・・。
でも実際にはその間中、自分のお口の中で何が起こって何をされているかなんて一切分からないよね・・・。
そう、患者さんは、歯医者に何をやられているか一切分からない!!
だからたまにいるよね、
それを糧にとって、手抜きの治療しかされていないケースって。
そう、この患者さんの治療例の様に。
だから、歯科治療にこだわる患者さんには、そこにも注意してもらいたいな・・・というわけなのです。
短時間で迅速にパパパッとそして痛みもなく楽ちんに治療が終わってくれたら、
患者さんにとってはそれは良いに越したことがない。
そうすれば、
「わぁ~この歯医者さん、治療がパパパッと早くて痛みもなくてお上手だわ~」
と、とりあえず患者さんは思ってくれる。
そして増患に繋がる。。。
だから、治療の本質はそっちのけにして、
患者さんが快適に感じてくれることばかりを重視している歯医者、
結構街中に溢れていると思うよ。
だってその方が、街の人気の歯医者さんでいられるんですもの。
でもこれは、
プロの歯科医師としてはどうかと思いますね。
そりゃ痛い治療は絶対に嫌だから、痛みゼロの治療は絶対です。
でも、治療の本質や歯のこれからの健康の事を考えると、
時には、快適性がやや乏しくなってしまう治療の時もあって当然だと私は思う。
長時間の治療の為に、口をずっと開けてじっとしてなきゃならない疲れる治療
が時にはあっても、
私は当然ありだと思いますよ。
私は、自分が患者だったらこうされたいな・・・と思うような治療をいつも患者さんには心掛けているから、
自分がされたくない、
快適性や時間の短さのみを考慮した治療の本質が欠乏したフェイクの治療は、
絶対に私の患者さんには致しません!
でもその分、患者さんには、
多少忍耐が必要な場面が時にはあろうことかと思いますが・・・。
今日もそんな治療づくしでしたので、もうクタクタだわ・・・。
これからアペロ飲んでプハーッと息抜きしよ~
最近夕方のお天気が最高~!!
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