私以前から、
隠れ虫歯
という言葉を用いて、
大きく進行しているのにもかかわらず、
とても発見されにくい虫歯
の危険性について
過去にも何度かご紹介してきました。
そうしてまた、
こうした隠れ虫歯が、
日常の検診では案外、
見落とされてしまっていることが多いんだよ~!
ということも書きました。
こうした見落としの原因は、
レントゲンを撮影しない!!
ことに起因しますよ。
レントゲンを撮らない一つの理由として、
患者さん自身が撮影拒否をされるという場合がありますよね。
被爆するのが嫌だから・・・?
または、
レントゲンを撮るのは所詮歯医者が収入を増やしたい為だからでしょ、と思っているから?
どんな理由にせよ、
レントゲン撮影を拒否されるのは、ご自身の選択なので
私(歯医者)は強制はしませんが、
レントゲン撮影なしでは、
100%の診断にはなっていない!!
という事を肝に銘じておいて下さい。
例えば、何か痛みなどの自覚症状があって、
悪いものを疑う際の撮影には、拒否をされる事はほぼありませんが、
ただの検診の際には(自覚症状は何もないが、とりあえず検診のみ希望といった方)、
レントゲン撮影はしたくない!といった方がたまにいらっしゃいますので、
そうした方に向けて、上記の点を覚えておいていただけたらと思います。
な~んて私、とっても偉そうな事を書いているというのに・・・、
私、自分の患者さんに、
その患者さんの虫歯リスクの低さを過信してしまい、
より詳しい個々のレントゲンの撮影を、勧めていませんでした!!!
口の中を診て、
虫歯があるかもしれない事を疑って
指摘までしていた
というのに~!!!
その患者さん、その後、噛んだ際に痛みが出てきたんです。
それで、おかしいね?ということで改めてレントゲン写真を撮ってみると・・・
それはまさしく、
中で密かに大きくなっているタイプの、
隠れ虫歯~!!!
でした。
見た目はこんな感じの隠れ虫歯。
確かに、ここが怪しい!!というのは検診で見つけていたのだけれど・・・、
他に全く虫歯がない方だから、
「6か月後の検診時まで様子を見ましょう」にして、
その時は詳しいレントゲン写真は撮らなかったのです。
大きな全体が写るレントゲン写真(パノラマ)はもちろん撮りましたよ。
でも、この手の虫歯の確認には、やはりパノラマは信憑性が欠けますね~。
そして、噛んだ時痛いゾ!と感じた際に撮った詳しいレントゲン写真では⇊
完全に隠れ虫歯の存在が明らかですね~(黄色矢印が入り口)。
そいうことで、さ、いざ虫歯治療へ~
ラバーダムを付けて、唇を間違って切ったりすることや歯の唾液汚染から守ります。
痛みの原因はどうやら、
欠けた歯の欠片が歯と歯の間部分に挟まって、
それが物を噛んだ時に微妙に圧迫されて動くからでした。
その、出てきた欠片。
それにしてもコレが虫歯があることの痛みという合図となってくれてよかったです。
時に隠れ虫歯は、痛みを極限になるまで発しない事が多いですから。
その下には、やはり、ドロドロになった軟化した虫歯の歯。
虫歯部分のみを最小限に削ります。
歯と歯の間部分の、虫歯の始まり部分が確認できますね。
因みに、奥の隣りあわせの部分も少し虫歯になっていました。
この部分のように、全く見えない上の奥歯の歯と歯の間の場合には、
見た目キレイに詰める事よりも、
絶対に段差や隙間がないように詰める事が重要です!!
何故なら、見えない場所がゆえに、
そうした隙間・段差は、再虫歯発生のリスクにしかなりませんから。
見た目、詰めた感はむちゃくちゃありますが、
段差や隙間は一切ありません~
だから、見た目よりも、虫歯にならない段差・隙間なしの方が大事~!!!
以上、隠れ虫歯の虫歯治療でした~!
ハイ・・・
これは正に私が
隠れ虫歯の存在を甘く考えて過ぎてしまっていたという事例ですね~。
ですから皆様、
レントゲン写真を撮影しない歯科検診が、
如何程に危険か!?
信用性が低いか?!
という事に改めて気付いて頂けたんじゃないかと思います。
これをお読みの皆さまは、
もしおかかりの歯医者がレントゲンは必要ないよ~
とたとえ言ったとしても、
1年撮影していないのなら、
「撮ってください」と言って撮ってもらいましょう。
(きっと拒否する歯医者なんていないから。)
私自身も、これからは、
虫歯リスクの低さを決して過信することなく、
プロフェッショナルとして、どんな場合にも
レントゲン撮影する重要性を、躊躇なく、
患者さんに漏れなく伝えていこうと思います!!!
Love & Protect Your Teeth