手術当日の夜は、気分消沈~↓ | シンガポールで歯医者さん Dr.Yumiko's Journal 

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歯の美と健康の秘訣を知ってもらうための、歯医者が率直に綴るブログ❤︎ 2009年1月よりシンガポール
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どんな手術でも、術後は痛いのだろうと思います。

今まで幸いあまりお医者さんにかかったことがないからなのかもしれませんが、
私は痛みというものに対して、もしかすると他の多くの人よりも弱いのではないか?と思ったりもしています。

しかし、そんな私は思うのですが、
口の中のオペの術後は、
特に痛いのではないでしょうか?また苦痛を感じやすいのではないでしょうか?


なぜでしょう?それくらいしか今まで経験がないからなのでしょうかしらね。
それとも、私自身歯医者というのに、昔歯医者になる前は歯医者へなかなか行けなかった程の臆病者だからなのでしょうか??


↑こんなイメージ写真入れてみました~(悪しからず・・・)


口の中の痛い思い出として、まず真っ先に思い当たるのが、
大学5~6年生の時に行った親知らずの抜歯の術後。
当時は、麻酔が切れる前に鎮痛薬を飲むという事を知らなくって、
麻酔が切れた後、ありえないほどの痛みを経験しました。
こんな痛み産まれて初めて!!というくらいの激しい痛み。
あれはもう、今でも覚えているほどの、当時には劇的な痛みでしたね。

もちろんその後すかさずロキソニンを服用すると、
嘘のように痛みは消失しましたけれど。。。
でも効果が出現するまでには20分くらいかかりましたので、それまでは悶えていたのを覚えています。


それともう一つ。
ついこの前、4月に行った舌の小手術。
これも術後がむちゃくちゃ痛かったなぁ・・・。
案外麻酔が早く切れてしまった為に、鎮痛剤の服用が遅れてしまい、
これまた効果が出現するまで、相当な苦痛な感じておりました。

もちろん薬を飲めばある程度の鎮痛効果は得られるのですが、
舌の場合は親知らずの抜歯後とは異なり、舌がよく動く器官ですので、
喋る度、そして食べる度の悲痛な痛みに、術後数日間は悶えていたのを覚えています。


余談ですが、これら2つともの術後に共通してあったのが、おもしろいことに、
口の中の痛みのはずなのですが、耳の奥までキ~ンと痛かったということ。
余りの痛さに耳の奥まで痛く感じてしまうのです。
なぜかというと、お口の神経は耳の神経と奥の方で繋がっているからなのですね。
自分の痛みをもって、解剖学の記憶が甦ってきました。


このようにお口の中の手術の後は、鎮痛剤を直後に適切に服用しないと、
とんでもない激痛を感じてしまうものなのです。
皆様、手術の後は、迅速に鎮痛剤を服用しておきましょう!



さてさて、ではここからやっと、前回の記事の続き、
抜歯+アルファーの処置、
つまり、人工骨の補填手術の事について書きましょう。

上に書いたように、お口の手術後はすごく痛くてそして不快なものです。
今回もまたか・・・という気持ちで、オペにのぞみました。

術中は麻酔が完全に効いているので、痛みは一切ありません。
抜歯をされている最中は、抜歯をする歯にドクターの力が込められているのを直に感じ、
さすがに私の肩にも力が入り、「早く抜けてちょうだい・・・!」と嘆願する気持ちで一杯でした。
しかし、骨の補填中は楽でした。
なぜならドクターが抜けたその部分をそっといじっているだけなので、
ただ口を開けていればよいといった状態だったからです。
ロングフライト帰りでしたので、終いには、診療台の上で随分と寛ぎ疲れを取らせていただきました。

すべての処置が終わるまで約1時間。
抜いた歯を見せてもらい、ヒビが入っていることを自分の目で初めて確認出来、
そして、左上に歯1本分の隙間という違和感を初めて実感した瞬間でもありました。

あ!そして重要なこと。
今回はこの時点できちんと鎮痛剤を飲みましたよ!

ここまでは麻酔がかかっているので、痛くもなく出血もあまりなく、
こんなものなの?と、余りの大した事のなさに逆に驚いてしまったほど。

術後イスを起こされて初めてしたうがいでも、吐き出したお水に出血は殆どありません。
なぜなら、麻酔の中に出血を止める薬が入っているので、実際にオペ中は余程じゃない限りは殆ど出血しないんですよ、患者の皆様。


そのような感じでしたから、せっかくの久しぶりの日本ということで、
その足でデパ地下へ寄ってブラブラ♪
今晩のお夕食もついでに購入したりして帰ったのでした。


さて、そんな余裕な気持ちでお家に帰宅。
そしてここで初めて、歯医者を出て以来初めて鏡で自分の顔を見ることに。

うわっ!! 歯が真っ赤・・・!?!?!

ニヤッと鏡に向かって歯を見せて笑った瞬間、
そこに映っている自分の前歯が全部血まみれであることにここでやっと気付いたのでした。

ありゃ・・・、私もしかしてこんな状態でデパートをうろついていたの・・・?
最悪・・・、恥ずかしやぁ・・・。

種明かしをしましょう。
私、インビザラインのアライナー(透明マウスピース)を術後も装着していたのです。
麻酔が切れて、実は私のお口の中ではどろどろと出血をし始めていたのですが、
このマウスピースが器代わりになっていた為に、自分でその出血に全く気付きませんでした。
しかし、マウスピースという器の中は、出てきた血で充満!
だから気付かないうちに、見た目血みどろになっていたというわけです。

それが今回の術後の初めてのショックでした。

ここで少々解説ですが、この手術の後は通常、実は結構出血するものなのです。
それに対し、舌の手術は全く術後の出血はありませんでした。
なぜかというと、傷を縫って完全に封鎖してしまいますので。
でもこの手術の場合は、ある一種傷が閉じられていない状態で手術を終了するので、
仕方がないと言えば仕方ないのです。



あまりの有様に、その直後恐々とアライナーを外してうがいをすると、
吐いた水がまた真っ赤!!
気持ち悪~~~!!!

そんな状態なので、お口の中は血の鉄臭い味で充満しまくりです。

余りの気持ち悪さ加減に耐え切れず、
アライナーをまた出血の受け皿代わりにしようと、再装着!
すると、本当に遮断されて出血を感じなくなるので、少し楽になりました。

が、もちろん、そんな状態で美味しくお夕食を取れるわけがなく・・・、
せっかくデパ地下で買ってきたものはすべてお預け。

そして血まみれを目の当たりにしたせいもあってか、
それ以来、術部の奥の方から鈍~い痛みも感じるようになり、気分もさすがに消沈です。
また、手術部分が急激にまるでバルーンのように腫れてきたのもこの時から。
そう、術後の反応的な炎症ですね。

気分的にも完全にグロッギーになってしまったので、
その日はアライナーをつけたままワインを少し飲んで気分を紛らわせ、
そのままうぅ~うぅ~言いながら早めに就寝しました。

さすがに手術当日の夜は堪えます・・・。


というわけで、術後当日夜のレポートでした。
私自身歯医者がゆえに、たくさんの患者さんへ経験済みなことですが、
いや~、いざ自分が自らの身をもって経験すると、歯科手術は嫌なものですね・・・。
この時以来、手術をお受けになる私の患者さんには、必ず、
「その日の夜は辛いですよ~!」と嘘偽りなく、お伝えするようになりました、私。。。


では、翌日以降のレポートはまた次回!