インプラントが動くって~?! | シンガポールで歯医者さん Dr.Yumiko's Journal 

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歯の美と健康の秘訣を知ってもらうための、歯医者が率直に綴るブログ❤︎ 2009年1月よりシンガポール
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クリスマス休暇の余韻が、やっと確実にどこかへ飛んでいきました
夜もぐっすり眠れるし、朝もしっかり走れる!!
快調~~~

今日は、
「(他院で)5年以上も前に入れたインプラントの歯が突然動き出したー!!!」
という患者さんが、とても心配そうにいらっしゃいました。

動くはずのないインプラント、
動いてはいけないインプラント、
そんなインプラントが突然動き始めるのですから、そりゃ不安ですよね。

そのかた、私のところへ来る前にすでに2軒の歯医者を受診したとか。
でも結局、2軒ともの歯医者に、
“○○○かもしれない。・・・が、うちでは出来ない”
と何もされず終いだったそうです。

そのうち1軒の歯医者では、
「インプラントの経験が私にはあまりないので、そんな私が対処するよりも、インプラントの経験の豊富な歯科医や、大学病院などのインプラント科を受診することをお薦めします。」
と言われたそう。

その歯医者さんのこういった対応、これ正しい選択!!

こうしたケース、インプラントをある程度経験している歯科医なら簡単に対処できるのですが、
そうではない歯科医、つまりインプラントの経験のない歯科医がインプラントの不調に対応出来るわけがないですものね。


つい最近の記事『今日は歯医者の気持ちだ~❤にも書いたけれど、
わからないものはわからないと、自信をもって(?)患者さんに対し断言することも大切ですね。

患者さんの立場からすれば、
「何?歯医者のくせにわかんね~のかいッこの歯医者ダメ歯医者??」
なんて思ってしまうかもしれませんが、
確実性のない状態のまま安易に、
プロという立場を乱用?(←ちょっと言いすぎか)し、
患者さんにどうだこうだと説明してしまうって、
とっても恐ろしいこと。
だから、「わからないものはわからない。」
とはっきり断言されるのは、患者さんにとってみれば逆によいことなのですよ。

でもその代わりに、どうすればよいのかというアドバイス、つまりこの場合“インプラントを熟知した別の歯医者を紹介する”とかの対応を、その歯科医から得られていれば、患者さんにとってその歯医者を受診した意味は大いに生きてきます。
(その患者さんは、他院を紹介してくれるといったことはなかったようですが)


さて、結局こちらの患者さんは、重篤な問題によってインプラントが動揺しているのではなく、
インプラントを締結しているスクリューが緩んでいるから動揺していただけでした。
ですので、緩んだものをもう一度きつく締めなおしてあげれば、
患者さんの主訴(インプラントが突然動き出した)はすぐに改善されます。

これ実際にたまにあるんですよ。
私も自分の患者さんで経験しています。
ですので、患者さんは、
突然インプラントが動き出しても、スクリューの緩みが原因であれば、血相変えて心配する必要はないと思います。
が!!動きに気付いたものの、歯医者をなかなか受診せずそのまま暫く放置すると、そこから新たな問題は発生しますので要注意

そして、インプラントが動いている理由が上記のように緩んだスクリューなのではなく、
もっと重篤な問題により動いているのであれば、、、
これは一大事です!!
早急に診断とそれに対する適切な処置がひつようです。

ですので、動揺の原因が何なのかについては、経験を有する歯医者に必ず判断してもらいましょうね。


最後に、少し話は変わりますが、、、
この患者さん、うちに来られた時にきちんとコレを持参していらっしゃいました。
コレとは?
それは、この患者さんに使用されたインプラントのメーカーと種類などが明確に書かれたメモ用紙
インプラントを取り扱う歯科医ならコレがどれだけ必要で大切なのかわかりますよね。
(非常に経験の多い歯科医なら、コレがなくてもレントゲンに写ったインプラントを見ただけでわかるかもしれませんが・・・
インプラントを製造するメーカーはたくさんありますので、それに合った同じメーカーのインプラント用器材(ドライバーなど)を使う必要があります。
つまり、A社のインプラントを締結するのにB社のドライバーは合わない。だからA社にはA社のドライバーを使わなければならない・・・というわけです。
今回、この患者さんが持参されたメモによりインプラントのメーカーなどが即座にその場で把握できたので、余分な手間も必要とせず即座に、適応したドライバーでインプラントを締結することが出来ました。

素晴らしい!!

殆どの患者さんがインプラントを入れたらそのまま入れられっぱなしというのが現実だろうけれども、
上記の理由から、万一のときのことを考え、メーカーや種類といったものを把握して起きましょう!
私のインプラント患者さんには、インプラントの入っていたパッケージをその取扱説明書みたいなものと一緒に丸ごとお渡しして持って帰ってもらっています。
(それを患者さんが本当に保管しているかどうかは?ですが)



あなたのインプラントはどうですか?
それよりも・・・、
インプラントのメインテナンスをしに、定期的に歯医者へ行っていますか??
今一度思い直してみましょう。

では~


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