★人生を卒業した時に・・・ | 加倉井さおりのウェルネスな毎日を

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11月のこの季節、ポストに喪中のハガキが届き始めます。
今日はそのハガキをみて、「ああ・・・・」と後悔とその方の想い出が甦ってきました。

前職時代、お世話になった看護師の方でした。
出逢ったときには70歳くらいだったのかと思います。
総合病院で総婦長を退職後、ご一緒にお仕事させていただく機会がありました。
戦時中の看護師としての学び、幼い子どもを置いて旦那様を亡くし
女手一つで再婚せずに子育てされたこと・・・
今の時代に生きる女性には想像もつかない沢山のご苦労があったでしょう。

でもいつも笑顔で、いつも温かく、まだ20代の私にも丁寧な言葉使いで温かく接して下さいました。

今でも忘れられないのが、ご一緒にお食事をした時、食事を下げに来た店員さんに
「ごめんないさいね。とっても美味しかったのですが、残してしまって・・・」
と穏やかな口調で言っていた姿。
私は心から感動して、残してしまった時、その方を見習ってその台詞を言ったりしています。

その後すっかりご無沙汰してたのですが、次男が生まれてからお電話を下さり、
近くなったのでお会いしましょうと約束。
ところが次男が風邪をひいていけず、結局会いたいと想いながら、そのままの月日が流れてしまいました。

90歳で、この世を卒業されたとのこと・・・。
なぜあの時、またご連絡してお会いする約束をしなかったのだろうと、後悔。

こんな私のことも、あのにこやかな笑顔で「いいんですよ」と言ってくれそうな気もしますが・・・。
あの方のように、いつも謙虚で、美しく、あたたかい女性として、成長できますように・・・
見守っていただきたいです。

人生を卒業したとき、残された人たちにどんな想い出を残していけるか
それが、その人の生き方・あり方のすべてのような気がします。
私も、いつか卒業する日がくるのです。
その時、私と出逢った人は、私のことがどんな記憶として残るのでしょうか。

いろいろ考える、秋の日です。


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