ちいさな、おはなし。 -7ページ目

Happy Birthday to・・・

大雨の中を打ち合わせ先へと向かう途中。

ようやく乗り込んだ電車の中で、

母親と手をつなぐ、ちいさな女の子と目があった。

何かを言いたそうにしているように見えたので、しばらく笑顔を向けてみた。


彼女は、ちいさな手のひらをこちらに見せながら言う。


「ご○○」


よく聞き取れなかった。


僕は首をかしげる仕草をして、もういちど言ってというふうに促してみた。



すると今度ははっきりとこう言う。



「ごしゃいなの。」



そうか!きみは五さいなのか!・・・僕は心の中で叫んだ。



彼女はさらにはっきりとこう言った。


「あたし、ごしゃいなのよ。ごしゃいになったのよ。」



◇◇


その子の誇らしげな表情と舌っ足らずな話し方が、しばらく頭から離れなかった。


おめでとうね。ほんとにおめでとう。