こんにちは、夫婦カウンセラーの安東秀海です。
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結婚、パートナーシップについて書いています。
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「妻の味と、おふくろの味は比べてはいけないし、張り合ってもいけない。」
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食には人それぞれ好みがあります。
もっと言えば、「味」にはそれぞれ好みがある。
濃い目の味付けが好きな人もいれば、薄味が好きな人もいるし、辛いもの好きがいたかと思えば、辛いものは苦手、という人もいる。
食材の好みを言い出せばもうキリがなくて、一緒に生活をする夫婦にとっては、性格の相性以上に「味」の相性は重要かも?と思うほどです。
だって、作った料理にじゃぶじゃぶ醤油やソースを掛けられたら、あんまり気分は良くないでしょう?
まして、義母の味と比べて云々、なんて言われたらそれこそ冗談抜きで離婚の火種にだってなりかねない。
おふくろの味と、妻の味比べほど、不要な比較はないと思うのですが、それでも時々、この地雷を踏んでしまう男性がいるのも事実。
逆を返せばそれほど男性にとって、母から教わった「味」というのは影響力が大きいということなのかもしれません。
以前、あるテレビ番組で、台湾の男性と結婚した女性が、お姑さんが作る「小籠包」よりも美味しい「小籠包」を作るためにプロの料理人に弟子入りする、という企画がありました。
なんでも、台湾の小籠包というのは、おふくろの味、が一番出やすい料理なんだそう。
でも、ここで言う「味くらべ」って、純粋な”美味しさ”くらべではない場合も多いように思います。
僕には子ども時代、生家と親戚宅とを定期的に行き来しながら生活していた時期があったのですが、実母の味と、叔母の味とでは、それなりに違いがありました。
母は当時仕事を持っていたので、料理そのものにあまり時間をかけることができない人でした。スーパーの惣菜がテーブルに並んで、手の込んだものは少なかったように思います。
食卓にはケチャップ、マヨネーズ、ソースに醤油、そして味の素が並んでいて、それぞれが好みで調味料をかけるスタイル。
いっぽう、叔母の家には調味料は基本、テーブルには用意されていなかったし、調味料を子どもが使うことを、叔母は良しとは思っていなかったようです。
そんな空気は子どもにも理解できるもので、叔母の家では調味料を使わず、母の元では父や兄と同じようにソースや味の素を使う、という具合に、自然と使いわけるようになっていました。
「好みの味」というのもまた、生活習慣のひとつなのかもしれません。
僕のケースは少し特殊ではありますが、人にはそれぞれ育った環境があって、馴れ親しんだ味の好みと、味付けの習慣というのがあるのだと思います。
また、そこには記憶とセットになった感情も紐付いていたりもします。
妻の味と、おふくろの味を比べてはいけない理由はそこにあると思っていて、多くの場合私たちは、慣れ親しんだその「味」を、美味しいと思い込んでいたり、「食の習慣」を当たり前のことと、と考えているのではないかと思うのです。
少なくとも、幼少期から母親の料理を基本として育ってきた私たちが、人生で次に触れることになる「毎日の食事」が、パートナーが作ってくれる料理なわけですから、はじめはその違いに戸惑うこともあるかもしれません。
そこは、少しづつお互いの好みを出し合って、ふたりの家庭の味を見つけていけばいいのだと思います。
ここでも大切なのは、しっかりコミュニケーションがとれること。
黙ってガマンするのもよろしくないし、無闇に後づけで味を足すのも注意が必要。
作り手としては、あえて少し薄味にしておいて調整の幅を残しておくのも良いかもしれませんし、いただく側のマナーとしては、味がうすいと感じたなら、塩がいいか、醤油がいいかと言った具合に、おすすめの味つけを聞いてみる、といった配慮があってもいいかもしれません。
また、男性が言う「美味い」「不味い」は、純粋に味の比較だけではなく、「慣れ」と「記憶」とがないまぜになった判断基準によるものかも?という視点は持っておきましょう。
何よそれ?って思うかもしれませんが、、
ここはちょっと冷静になって、どんな味が好みで、どんな食の習慣を持っているのか?理想や希望をお互いにコミニケーションするきっかけにすることをお勧めします。
育った環境やバックボーンも含めて理解をしておくことが、衝突や不要なフラストレーションの予防になるはず。
食べることは毎日のこと。
そして、食べるは生きること。
食に対する考え方、味覚に対する想いを共有、理解しておくことは、パートナーシップの基盤を強くする取組のひとつなのだと思います。
※こちらはプレマリッジ・プロジェクトへの寄稿記事を修正加筆したものです
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