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ドイツ好きになったのは・・・(バンベルグ編)

ミュンヘンのコンサートの翌日、バンベルグに移動しました。
今では世界遺産として有名な街ですが、人口100万人で80人クラスの
オーケストラを1つ養うのが精一杯と言われている中、この街は10数万人の
人口で80人クラスのオーケストラを支えているという音楽の街でもあります。
(政府の補助も手厚いと聞いていますが・・・)

当時の私は世界遺産に登録されるような街であるなんて知る由もなく、この街の
オーケストラが奏でる重厚なドイツらしい音が好きという理由だけで足を運びました。

当時、バンベルグ交響楽団の本拠地は工事中で、定期演奏会は地元の小さな教会を借りて行われていました。音楽の街、かつ会場が小さな教会ということもあり、当然、会場は定期会員だけでいっぱいで、
外国人の一見客には入る余地などありません。
当日の指揮者は東ドイツの巨匠クルト・ザンデルリンクの指揮するベートーヴェンの交響曲第6番「田園」でした。

私は、小さな教会の外に設けられた当日券売り場に、開場時刻の2時間前に到着し、2月の寒空の下、一人で佇んでいました。すると。そこに真っ赤なコートを着たおばあさんがやってきました。そして私に話し掛けてきます。言葉を正確に理解できませんでしたが、「何をしているの?」そんな感じです。
ドイツ語が話せない私は、片言の英語でキャンセル待ちをしていると返事をします。
おばあさんは突然時計を見ると、私の手を引っ張っります。てっきり、「チケット売り場を間違えてたのかな?」と考えたので、引っ張られるままついて行きます。すると、おばあさんは教会ではなく、近くのビアホールに私を連れ込みました。中にはおばあさんの知り合いがたくさんいて、突然の同伴者に驚きながらも、片言の英語を使っていろいろと話をしてくれました。そして、開場時間の30分くらい前になると、おばあさんがまたもや私の手を引っ張って、教会に向かいました。まだ当日券売り場には誰もいません。私がそこに行こうとすると、おばあさんはさらに強引に私の手を引っ張り、どんどんと教会の中に入っていきます。
そして、おばあさんは自分の座席番号を確認すると私の腕を引っ張って、何事もないかのように自分の座席の隣に強引に座らせました。もちろんチケットはありません。私は「大丈夫なのかな?」とおどおどしながらもその座席に座っていました。当然、時間の経過ともに周囲の座席も埋まり、私の座席にもチケットを持った家族連れがやって来ました。当然、「場所を間違えていないか?」と質問されました。すると、隣に座っていたおばあさんが突然、彼に強い口調で話し始めました。正確なドイツ語は分からないのすけど、ところどころの単語は理解できます。何となく、「日本から来てくれたんだから、1日くらい我慢しろ」みたいなことを言っていたようです。周囲がざわつき始め、私は座席から立ち上がろうとしますが、おばあさんは手を離してくれません。結局、周囲の人も一緒になっておばあさんを説得して、やっと手を離してくれました。本当はこちらに非があるのに、最後まで「ごめんなさいね」と謝っていました。チケットの無い私を座らせることは正しいことではないかもしれませんが、初めて会った人のためにそこまで一生懸命にしてくれたおばあさんの厚意は今でも忘れられません。

会場の外に出てキャンセル待ちのチケットを探しますが、結局、チケットを手に入れることは出来ませんでした。会場ではオケのメンバーが登場し、間もなく開演という時でした。クローク係の女の子が「始まるよ」と言ったので、彼女にチケットを持っていないことを告げました。すると彼女は残念そうな顔をしてくれて、すぐに話し相手になってくれました。「どこから来たの?」「名前は?」といったたわいも無いことから会話は始まりました。会場では序曲が始まった頃です。話をしていた彼女(アレクサンドラ)が、突然「ちょっと待って」と言って走り出します。彼女の走っていった先には、恰幅の良いおじさんが立っていて、彼は彼女と一言二言、話をすると、私に向かって手招きをしました。そして教会の入り口の窓をのぞきこんで、「そこの座席に座りなさい」と言って、空いている座席を指差しました。彼女はにっこりと笑って、クロークに戻っていきます。
私はそのおじさんに御礼をして、座席料金を尋ねたところ、彼は「今日はお金は要りません。音楽を楽しんでください。来年、私達は日本公演を予定しています。その時に公演を聴きに来てください。」と言って、立ち去っていきました。こうして私はコンサートを聞くことができました。
その後、休憩時間におばあさんに会って、コンサートを聴くことが出来たことを伝えるとともに、クロークに立ち寄って彼女にお礼の言葉を伝えました。二人ともすごく優しい笑顔で「良かったね」と自分のことのように喜んでくれたことを、昨日のことのように思い出します。

初めての旅行でドイツ人の優しさに触れて、海外旅行が好きになるとともに、ドイツという国が特別な国になりました。

ドイツ好きになったのは・・・(ミュンヘン編)

先日のブログでは、アメリカにおける「肌の色」の違いについて書きました。
今回は人種に関係なく親切にしてもらった自分の体験を書きます。

先日、初めての渡航体験を途中までアップしましたが、その初の渡航体験の終盤に体験したことです。

私はミュンヘンのガスタイクというコンサートホールに行きました。
当日の公演は、今は亡きギュンター・ヴァント氏の指揮するミュンヘンフィルのブルックナーの交響曲第5番。この曲は彼の得意な曲の一つであり、とても人気のある公演でした。当時は現在のようにインターネット予約など無く、エアメールでチケットを手配するしかなかったのですが、何しろ初渡航ということもあり、現地事情を全く知らず、チケット予約もせずにいきなりコンサートホールへ出掛けて行きました。

コンサートホールにつくと、当然の如く当日券売り場に長蛇の列ができています。
どう見ても当日券を手に入れることは不可能な状況でした。
開演時間が近づき、キャンセル待ちの列が少しずつ進み始めます。でもその列は私のところに到着する遥か手前で停止することになりました。
チケットの入手を99%諦めているところに、突然、一人のドイツ人が私の前に立ち止まりました。彼は「貴方はこのコンサートを聴きたいですか?」と。
もちろん「はい」と答えたら、さらに「貴方は外国から来ましたか?」「はい」「今日、私の妻と一緒にこの公演を聞く予定にしていましたが、体調を崩して来ることができません。ですから、貴方に私のチケットのうち1枚分を譲ってあげましょう。」
信じられませんでした。でも私の前には私よりも先に来て待っている多くのドイツ人います。
「ありがとう。でも前にもたくさん待っている人がいます。」と答えたら、彼は「彼らはミュンヘンの人たちです。この曲は明日も明後日も演奏があります。貴方は旅行者で、今日しか聴く機会がありません。だから、私は貴方にチケットを譲りたいと思います。私と一緒では駄目ですか?」と。私は彼の申し出に心の底から感謝しました。
彼は私にチケットを差し出しました。チケットを受け取った私は、定価の金額を支払おうとしましたが、彼は受け取りませんでした。それどころか、当日のプログラムを購入して私に手渡してくれました。

公演終了後、「楽しかったですか?これからも素晴らしい旅をしてください」と言って彼は去っていきました。充分なお礼の言葉する伝えることが出来なかったことは、今でも残念に思っていることの1つです。

でも、これは初めての海外旅行でガチガチに固まっていた私の気持ちが、いっぺんにやわらかくなる出来事でした。

アメリカで感じたこと

観光スポットの写真とはちょっと離れて、アメリカに行って自分自身が
感じたりしたことを書いてみたいと思います。

アメリカ在住の人などからは「違うんじゃないの?」って思われることが
多々含まれるとは思いますが、あくまでも旅行者が自分の体験の中で感じた
ことだということでご容赦ください。アメリカという国のごく一部の地域を
チラ見した人間の感想ということです。

一つは、肌の色について
アメリカは自由な国と言われていますが、現実には先般のハリケーンカトリーナの際に
貧困層に黒人が多いと報道されたように、肌の色についてはこだわりがあるような気がします。
いつもは一人旅なので、街の人口構成などの情報を手に入れることはないのですが、
今回の視察は現地ガイドが添乗していたので、色々と街の情報が入ってきます。
ワシントン、フィラデルフィア、ニューヨークの3都市を回った中で、必ずガイドの前半に
含まれるのが、白人と黒人とその他(ヒスパニック&アジア)の人口構成比でした。

アメリカでも大都市においてドーナツ化現象が発生していて、中心部が空洞化している街が
あるようです。そんな時、市内に在住するのは黒人で、周辺部に移住するのが白人。したがって、
夜間人口は黒人が高く、昼間人口は圧倒的に白人が増えるという説明されます。そして、
黒人の職場はホテルなどのサービス業が中心と言われました。ワシントンにしてもニューヨークに
しても公的機関がたくさんある中で、サービス業の労働者が黒人が中心と言われると、裏返すと
公的機関での労働者は白人中心ですと言われているような気がします。
こういう点からすると、依然として肌の色が問題とされる国なんだなぁ~と感じました。
もちろん、日常生活の中で歴然とした差別が行われているという訳ではないので、
そこは誤解して欲しくない点ですけど。

日本も人口減少に伴い外国人労働者が増えてきたりするとこういう区別が発生するのかなぁ?と
ちょっと不安になったりします。

次に感じたのが地元意識について。
私はアメリカンスポーツも大好きです。(基本的にはスポーツなら何でも良いのですが)
今回訪問した土地にはそれぞれアメリカの4大メジャースポーツのチームを抱えている
訳ですが、ともかく地元のチームが大好きという人が多かったです。ガイドさんも含め、
「うちのチーム」という言葉をたくさん聞きました。
私は面白い試合が見られれば良いだけなので、特にこのチーム!なんて贔屓のチームが
あるわけではないのですが、現地ガイドさんと地元のアメフトやバスケチームの話をしていると
運転手さんも微妙に反応するんですよね。

一つには、地元の放送局は地元のチームの試合しか放映しないから、自然と地元のチーム
のファンになる・・・という構図があるのでしょうが、理由はどうであれ地元をもっと
大切にすることは重要なことだと思います。全国を一つの色に染める必要はないと思うのです。
アメリカの選手は有名な選手でもFAで地方のチームに行くことが多々あります。それは
自分の出身地だったり、自分中心のチームを作ってくれるなどの待遇面が良かったり、
年棒高かったりといろんな条件の中から自分(交渉人を含む)で決定するわけですが、
そうしたいろんな選択肢があることが多様性の源かなぁ~と感じました。

後はセキュリティや環境などについて
セキュリティについては帰国直後の感想で書いたので簡単にしますが、あれだけ警察官を
配備すれば安全かもしれませんが、少なくとも公的機関においては息が詰まる感じがします。
特にボディチェックと持ち物のX線検査をしているにもかかわらず、訪問先の企業の方に
IDを借りないとトイレにも行けないなんて、不便すぎます。こちらの考え方が甘いのかなぁ?

同じ民主主義国家でもカナダの大使館などはあんな厳しい警備まではやっていないはずです。
米国政府はそれだけの経費支出をしても世界の警察官でありたいという思いがあるのでしょうが、
正直、自分達の正義だけを振りかざしているから敵が増えているという現実ももう少し
考える必要があるのではないかと思います。
私自身はBSE問題、京都議定書への対応、経済政策などのいろんな面で、アメリカって
ワガママが過ぎるんじゃないの?と思われることが多数あると感じていますので、
やや批判的になっているのはご容赦ください。

環境については、タバコや排ガスについては敏感になっていることが感じられます。
日本人がルーズすぎるのかも知れませんが、タバコは喫煙エリアで喫煙をしていても煙に
眉をひそめる人が多かったです。
私自身はタバコを吸いませんが、あれほど露骨にいやな顔をすることはありません。
また車もハイブリッド車や燃費を優先させた車が目に付きました。ガソリン価格の高騰など
いろいろな背景があるのでしょうが、政府の業界の利益を最優先させようとする政策とは別に
市民レベルでは環境問題は結構大きな関心事なんだろうなぁ~ということを感じました。

もちろん企業視察を目的とした研修旅行なので、アメリカ企業の経営方針などについても
参考になることが多数ありましたが、こちらはちょっと差支えがあるので差し控えます。

その他にもいろいろと感じたことがありますが、ちょっと長くなったのでこの辺で。