令和2年の秋田県渓流遊漁解禁日3/21は、今年もパートナーズの忠さん(佐藤 忠雄さん)が主宰する『山女魚乃忠学校』の方々と共に登校(釣行)することになりました。
今年は土曜日ということで、忠さんと秋田市河辺で農家のAgiさん(佐々木 明さん)と秋田市の高野さんと私の4名で参加することになりました。
ちなみに、秋田県の渓流遊漁の解禁日は、平成28年(2016年)より河川ごとに、3/21と4/1に別れております。
更に月日を重ねて、漁協ごとに解禁日の変更や漁業権の放棄などを経て、平成29年(2017年)までの変更を最後に改正されていない様でして、(H31/3/26に改正されている漁協があり、この行を削除して訂正致します。申し訳ありません。令和2年5/13)
私なりに現時点でまとめた一覧を【参考】として、記事の末尾に列記しておきます。
入渓点近くの集合時刻は9時でした。
解禁日だの、今年初釣行だのと言葉を飾ったところで、長年の解禁日釣行を踏まえますと、低活性&解禁日変更により区間が狭められた釣りとなりますので、私も数年前から気楽に考える様になっております。
出掛けの気温が車載外気温計で10℃で、外気が肌にも暖かく感じられました。
昨日の天気が、秋田県内全域で暴風警報&日中気温10℃以下の上での雨でして、皆と「仮に昨日の天候のままだったなら、さんびーべし、風つえーべし、雨降ってらべしで、鼻垂らして竿振ってねばねえがら中止だったべな」と談笑しつつ、入渓点近くに着きました。
ここで道具について触れておきます。
2011年より丸8年使い続けたSimmsのG4Zウエーダーでしたが、生地全体の劣化が修復困難な状態に至り、リトルプレゼンツのW-47 N3 AQ ZIP ウエーダーへ新調することになりました。
当時の購入価格は一部サイズ特注も含めて税込み十万円超で、目指していた年当たり1万円を、遂に下回ることができませんでした。
高い買い物でしたが、8年目に初めて大きな傷が付くまで著しい浸水もなく、とても満足しております。
同じもので更新を検討したのですが、今年から同モデルがフルモデルチェンジで、同じサイズで体に合うのかが怪しいかったことと、私のサイズがメーカーで欠品につき2~3ヶ月は掛かる見通しであること、そしてやはり価格の高さが経済的に厳しく、同じジッパー付商品に於いて、私の周りでは比較的評判の良かったリトルプレゼンツのこのモデルとなりました。
そして、昨年新調したウエーディングブーツのフェルトも張り替えました。
新調したウエーダー購入と、このブーツのフェルト交換は、秋田市広面のプロショップD-Loopによるもので、有り難く存じております。
そして最後が、磯釣りで御馴染みのヒップガードです。
私がヒップガードを必要とした理由は、僅かな斜面や段差から川へ降りるときに、足腰の弱い私は、皆様の様に飛び跳ねることはできず、必ず腰を地面に置いてから、足を下ろして落差を縮めてから着地するようにしております。
それはウエーダーの臀部を接地させてしまうことなので、新調したウエーダーの生地を保護するために必要と考えました。
3月に入ってから忠さんと逢う機会があり、ウエーダーを新調したことの話の延長で、ヒップガードとして磯用の様に、どんな姿勢でも臀部を確実に保護できる形状の商品の購入を検討していることを伝えたところ、数日後に「昔、もらったものが出てきたので差し上げましょう」とのことで、このヒップガードを頂きました。
ありがとうございました。
身支度を調えて、暫し林道を歩き、毎度、難儀を強いられる入渓点に到着しました。
滑落による巻き込まれに注意しながら、間隔を空けて順に降りていきます。
斜面の降り方は、枝や笹を掴みながら、斜面の凹凸に足や腰で体重を掛けながら降りて行くのは共通しておりますが、忠さんと高野さんは比較的に急勾配でも足腰の強さでバランスが取れるので、抜群の安定度で降りて行きますが、Agiさんと私は、時間を掛けてでも、自分が安定して降りられるルートを探りながら降りました。
途中でAgiさんが腰を下ろすことはありませんが、私は例のヒップガードがありますので、拠点毎に腰を下ろして、足で凹凸を探りながら降りることができました。
安全第一は、それぞれの体型と年齢と体力により、四者四様です。
発着点は同じでも、通ったルートと掛かる時間は同じとはなりません。
3/21(土) 秋田市 旧雄物川水系
天候くもりのち雨、気温9℃、水温5℃、水位 雪代で増水も濁りなし
ここまでで、心配していた釣り人の気配はなく、水況も思ったより落ち着いていたので安堵しました。
忠さんは早速ながら、出初めのフキノトウに手を伸ばしておりました。
今年は昨年以上に暖冬ですので、市内の道路端や公園などのフキノトウは既に大きいのですが、渓流では未だ採り頃です。
序盤で高野さんの深みへのアップクロスに、小さい魚影が走りました。
しかし、それ一回きりで反応が見えません。
その上流でAgiさんがダウンでキャストしますが、DeepKiss(ヘビーシンキングミノー)が波立ち下の石に根掛かりしてしまいました。
これを何とか回収できないかと、私が波立ちへ近づこうとした瞬間に、背後から「ヒット~!!」の声が・・・!
忠さんが見事な7寸強のヤマメをヒットされました。
こうして、今年の『山女魚乃忠学校』の渓流解禁は、忠さんの釣果により幕開けとなりました。
状況を伺うと「流れ込みの右脇の緩くて深い流れに、沈めて遅い釣りでキャストしたらチェイスが見えたので、狙って仕掛けてヒットした。解禁日にセオリーどおりの『遅い釣り』で、チェイスさせてのヒットというのが嬉しい」と御満悦でした。
いや~、キャストからヒットまでの経過を、この眼で見ておきたかった!
忠さんとは何度となく御一緒しておりますが、見ている側にとって衝撃的な展開の釣果の一部始終をじっくりと見る機会を得ることは、なかなか難しいものです。
私の経験で忠さんの「遅い釣り」の真骨頂は、震災翌年の2012年4月に拝見することができました。
初めて御逢いしてから丸8年が経過しましたが、そうした機会を得るのは、その時々の環境や魚の都合もあることなので、簡単なことではありません。
今回は勿体ないことでした。
2番手は高野さんで、ここでも小さい魚影のチェイスが見えたとのことで、すかさず忠さんが「チェイスさせたのなら掛けなきゃダメよ~」と仰りました。
裏を返せば、"簡単ではない"ということです。
そのあと、ダウンで攻めましたが無反応でした。
いくつかポイントがありますが、魚の反応が見られません。
日の当たりにくいところに残雪がありましたが、昨年よりも暖かい暖冬につき、ここ1箇所のみです。
必ず魚が居る大場所で、高野さんがキャストしました。
しかし、反応が見られません。
近づいて「遅い釣り」との指示がありました。
しかし、リフト&フォールができておらず、ロッド操作が上下ではなく左右となっておりました。
私も昨年の解禁日登校で、同様の指摘を受けており、自分を見ている様でした。
高野さんのキャスト後の上流は、私がキャストしました。
忠さんから「流れの筋の右側の緩み」との指示で、想定の波の目にキャストしましたが、流れに押されて右側の浅いところを通らせてしまいました。
2投目は成功しましたが、魚の反応が見られません。
3投目でアングルを変えようとしていると、忠さんから「ダウンしかない」とのことで、上流からキャストしましたが、堪えきれずにスプーンが底波に入りきれません。
下手です。
上流へ向かいますが、杖が無いことに気付きました。
最も必要なときに肝心なものを忘れる。
これも解禁日ならではです。
その後、強めの雨が降ってきました。
暫く魚影が見られないまま進みました。
ここでようやく高野さんのキャストに、小さい魚影が動きましたが簡単ではありません。
しかし、続きません。
時刻は11時を過ぎ、状況に変化はなく、忠さんが「上の堰堤まで川から上がってショートカットしよう」と仰りました。
河原から斜面を駆け上がると、ワサビとイチリンソウのつぼみが見えておりました。
すると途中で、人の足跡らしきを見つけました。
その後に、点の釣りで上流の堰堤および前後を皆でキャストしますが、全くの無反応でした。
雨は降ったり止んだりで風も強く、気温も下がった感じでしたので、これにて退渓となりました。
車までの道中で、私は途中から腰痛と股関節痛で歩速が極端に落ちてしまい、気付いた高野さんが終始で歩調を合わせてくれておりました。
やっとの思いで車に戻り、着替えを済ませたところで"おっ、アラレか・・・、どおりで寒いはずだ・・・"
少し車を走らせて、近くの公園の東屋で忠食(昼食)としました。
風は強くて冷たく、道具を設営するのに難儀しました。
急いでお湯を沸かして、今シーズン最初の忠食も、やはりカップラパーティー&食後のベトナム産コーヒーです。
コーヒーを淹れる頃には陽が射してくれたのですが、気温は低いままで、そして風が止むことがなく、皆さんの表情が今ひとつ晴れないのは、Agiさんのフードにも表れておりますが、寒かったのです。
出掛けの暖気で油断してしまいましたが、この寒さと川の選択肢の少なさから、午後の釣りは断念と決まり、このまま納竿となりました。
前日にスーパーで見かけた花見だんごを、暖冬に浮かれて購入したのですが、山や渓流の気温は、まだまだ油断のならない肌寒さでした。
次の週末の3/28(土)は、忠さんと高野さんと私の3人で、別の川へ登校しました。
先週と同じ時刻で行動して、皆で山の麓に着きますと、川は大量の雪代が流れておりました。
身支度を調える前に、山では未だ旬の状況のフキノトウを皆で採りました。
少し肌寒さが感じつつでウエーダーに着替えて、いざ入渓です。
3/28(土) 秋田市 旧雄物川水系
天候くもりのち晴れ、気温7℃、水温6℃、水位 雪代で増水も濁りなし
上流の水量が、下流ほど多くはなかったので安堵しました。
今回は、忘れずに杖を持参しました。
広い緩流帯や深い底波を狙ってキャストしますが、全くの無反応が続きました。
しかも水量も多くて、キャストできるポイントも限られる感じでしたので、早々に退渓となりました。
高野さんが林道で立ち止まり、「川で気になっていたのですが、あの樹の上にある塊が熊棚ではないかと見ておりました」と、川から見えていた樹を指差しました。
ふと足元を見ると、鉄砲の薬きょうが何個か落ちており、状況的に高野さんの仰るとおりの様です。
実はこの川を選択したのは、高野さんから「一度も行ったことがないので連れて行ってほしい」との要望によるものでした。
春はタケノコ(ネマガリダケ)、秋は舞茸と、忙しく秋田県内を出歩く高野さんも、山菜ではあまり有名ではない、この山々に興味津々の御様子でした。
高野さんの影響で、最近では忠さんもタケノコおよび舞茸狩りに同行されており、御二人で「あの山なら舞茸があるかもしれない」と、楽しそうに話しておりました。
一旦、麓まで下りて、太平山の奥岳の見晴らしが良い場所へ移動しました。
青い空に、残雪で白く輝く山頂が綺麗でした。
忠さんも携帯電話にて、別アングルから撮影されました。
4年前の同じ時期に、忠さんとこの場所で、写真の撮り方を教わったことがあります。
今年は既に草刈りをされているのか、フキノトウがこの場所にしか見当たりませんでした。
まだ4月前ですので、釣行可能な河川が大きく狭められる中、次は忠さんの御実家近くの沢へ向かうことになりました。
その道すがら、忠さんより、地元衆しか知らない「キャンコ岩=貝(キャンコ・ケンコ)の出る岩・地層)」や、昔話でこの沢へ遡上する鮭にまつわる怪奇談など、いろいろ教えて頂きました。
私は数年前に教えて頂いておりましたが、高野さんが初めてでしたので、とても興味深そうに忠さんの話を伺っておりました。
夏以降は細い流れですが、先ほどの川と同じ源頭ですので、水況は全く同じでした。
こちらも、奥の林に熊棚らしきが見えております。
近くの堰堤に着きますと、思っていた以上の水量に驚きますが、逆に、直前に釣り人さえ入っていなければ釣果を期待できそうでした。
川から頭が見えない様に近づいて、手前から波の目を狙ってキャストしたのですが・・・、無反応です。
"さすがに上のプールならば反応するだろう・・・"と、こちらも慎重にキャストしますが、こちらも全くの無反応でした。
期待したのですが、仕方なしです。
堰堤以外でルアー釣りができそうな緩流帯は、区間で一箇所しかありませんでした。
クロスでキャストすると、4~5寸の反応が見えました。
忠さんが対岸へ渡り、アップクロスでキャストしたところ、同じ魚らしきがバイトしたのですが表層の流れに蹴られてしまいました。
その後も反応してくれたのですが、追いは渋く、恐らくはイワナと様です。
退渓後に、いつものカップラパーティー&ベトナム産コーヒーによる忠食(昼食)です。
先週とは違って陽射しもあって暖かく、風も小さくて会話も弾み、とても和やかな時間となりました。
午後も、同じ水系の別の沢へ入渓となりました。
入渓点近くの堰堤で、スレでしたが忠さんが4寸ヤマメを掛けました。
堰堤上は水量が少なく、先のトオラズまではキャストし易い状況でした。
高野さんが、エサ釣りの仕掛けが枝に絡まっているのを見つけました。
見ると最近のものの様で、3/21以降にどなたか釣り人が入っていたのでしょう。
このポイントの私のキャスト、ようやく3~4寸のチェイスがありました。
やはり、雪代につき、深く・浅く・広く・狭くのいずれかでも、緩い流れでなければ、なかなか反応して頂けない様です。
その後、狙える波が増えてくれるのですが、無反応だったり、チェイスとは言えない反応が見えたりと、厳しい状況が続きました。
いよいよトオラズに差し掛かり、遡行が困難になってきました。
魚止めの滝が見える辺りのところで、忠さんが「ん~・・・、水量が多くてなかなか大変だな。この先、難儀して進んでも釣りにならんだろうし、帰りも大変だ。ここで止めよう。」となりました。
帰りは、腰までの高さであることは明らかですが、底が平らではなくて石も多く、背後から強い流れに押される形となりますので、転倒後に流されて体を痛める危険がありました。
高野さんは杖に頼らず、安定感抜群でした。
"ふ~・・・、やっと着いた・・・"
こうして、河川の選択肢が少ない3月の釣りが終わりました。
珍しいくらいに暖冬だった昨年よりも、更に暖かくて終えた冬でしたが、高い山の斜面は未だに白く、川に残雪がないだけで、例年どおりのまだまだ肌寒い早春といった雰囲気でした。
6年目を迎えた『山女魚乃忠学校』ですが、こうして解禁日の登校を無事に終えることができました。
この解禁日の時点で、新型コロナウイルス感染症に関連して様々な困難が生じており、家庭や職場での行動制限が出始め、五城目町の「みちのく渓流釣り大会 in 馬場目川」も自粛により中止となりました。
国や県など行政の呼びかけに即し、常に身辺を潔く致すことを心懸けて参りたいと存じております。
以上です。
【参考】(H31/3/26に改正されている漁協があり、その内容を追記して訂正致します。申し訳ありません。令和2年5/13)
《3/21から渓流遊漁可能な漁協および河川》
1.内共第25号/八峰町真瀬川漁業協同組合:真瀬川
2.内共第26号/馬場目川漁業協同組合:馬場目川・富津内川・内川川
3.内共第9・10号/田沢湖漁業協同組合:生保内川・先達川・玉川上流
《3/21から渓流遊漁可能で、漁協が存在しない(漁業権設定がない)河川》
1.小坂町:小坂川 (旧小坂町漁協)
2.能代市・山本郡:泊川・水沢川・塙川・竹生川・種梅川・常盤川・三種川
3.秋田市・潟上市・南秋田郡:井川・豊川・虻川・新城川・旭川・太平川・八田川
4.由利本荘市・にかほ市:鮎川(岩城)・君ヶ野川・衣川・黒川・西目川・奈曽川・白雪川・川袋川
《4/1にならないと渓流遊漁できない漁協および河川》
1.内共第15号/鹿角市河川漁業協同組合:大湯川・夜明島川・熊沢川
2.内共第17号/大館市漁業協同組合:長木川・下内川
3.内共第16号/比内町漁業協同組合:犀川
4.内共第18号/田代漁業協同組合:早口川・岩瀬川
5.内共第19号/鷹巣漁業協同組合:小猿部川
6.内共第20・21号/阿仁川漁業協同組合:阿仁川・小又川・打当川・小阿仁川(H31/3/26改定)
7.内共第22号/粕毛漁業協同組合:粕毛川・藤琴川・内川 (H28/10/25改定)
8.内共第13号/岩見川漁業協同組合:大又川・小又川・岩見川・杉沢川・三内川・丸舞川
9.内共第12号/仙北西部漁業協同組合:淀川・荒川・宮田又沢川・繋川・心像川・新波川
10.内共第7号/仙北漁業協同組合:斉内川・丸子川・川口川・真昼川・善知鳥川
11.内共第8号/仙北中央漁業協同組合:楢岡川・雄物川
12.内共第10号/角館漁業協同組合:桧木内川・入見内川・斉藤川・玉川下流
13.内共第24号/子吉川水系漁業協同組合:子吉川・芋川・石沢川・鮎川・荒沢川・笹子川・丁川
14.内共第5号/県南漁業協同組合:大納川・上溝川・七滝川・地竹川
15.内共第6号/横手川漁業協同組合:横手川・黒沢川・松川
16.内共第1・4号/役内・雄勝漁業協同組合:雄物川・役内川・西馬音内川・大戸川
(H31/4/1付で雄物川上流漁協と雄勝漁協が合併)
※全長制限をH31/3/26改定:9/1より9/20までの期間は全長30㎝以上のいわな・やまめを
再放流(リリース)しなければならない。
17.内共第2号/皆瀬川筋漁業協同組合:皆瀬川
18.内共第3号/成瀬川漁業協同組合:成瀬川